北朝鮮の「尊敬するお嬢さま」こと、金正恩総書記の娘、キム・ジュエさん。国営の朝鮮中央通信は19日、金正恩氏の国家宇宙開発局の現地指導に同行するジュエさんの写真を配信した。 また、15日の太陽節(故金日成主席の生誕記念日)に合わせて行われた内閣と国防省対抗のスポーツ大会も観覧する写真を公開するなど、記事では言及しない場合にも、その動向を頻繁に伝えている。 (参考記事:金正恩氏、娘と「太陽節」記念スポーツ大会を観戦) まだ10歳の彼女だが、国民受けはかなり悪い。米政府系のラジオ・ ...

同じ朝鮮語であっても、韓国で使われている言葉づかいの使用を厳しく禁止する北朝鮮の「平壌文化語保護法」が、最高人民会議(国会に相当)第14期第8回会議で採択されてから3カ月。 北朝鮮では新法が制定された直後、法律の内容を知らしめるために取り締まりを強化して、違反者を血祭りにあげて、恐怖を煽るというやり方がしばしば使われる。 今回取り締まりの対象となったのは、若者の「しりとりゲーム」だ。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じている。 (参考記事:「女性16人」を並ばせた ...

北朝鮮の教化所(刑務所)からの脱獄が相次いでいることは、デイリーNKでも既報のとおりだ。 デイリーNK内部情報筋によると、平安南道(ピョンアンナムド)の价川(ケチョン)教化所では昨年1年間に、17件もの脱獄事件が発生している。一方、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の漁郎(オラン)では、勾留されていた容疑者が、看守を射殺して脱走する事件が起きたと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じている。 (参考記事:北朝鮮で脱獄が頻発…1カ所で年間17人も) 咸鏡北道の清津(チョン ...

本来、大学進学、軍入隊などの理由がない限り、生まれ育ったところから引っ越すことを許されていない北朝鮮国民だが、出口のない貧困から逃れようと農村や炭鉱から逃げ出して、現金収入が得られる都会へ向かう人が相次いでいると言われている。ただ、人口統計が明らかにされないことから、全体像はつかめていない。 (参考記事:移動の自由がない北朝鮮でも進む都市化…農村の生産力に打撃) 機械化の進んでいない農村では、人手不足は生産量の減少へとつながる。そこで、それら地域に、都会の若者を「嘆願した」と ...

日韓の防衛当局は13日、北朝鮮が同日午前、日本海へ向け弾道ミサイルの可能性のあるものが発射されたと発表。これを受け、日本政府は同日午前7時55分、「国民保護に関する情報:J-ALERT(消防庁)」として、次のように警告を発した。 直ちに避難。直ちに避難。直ちに建物の中、又は地下へ避難して下さい。 ミサイルが、08時00分頃、北海道周辺に落下するものとみられます。直ちに避難して下さい。 全土識別 全土ではない 地域(都道府県) 北海道 その後、海上保安庁は防衛省からの情報として ...

北朝鮮は犯罪に関する統計をいっさい公開していないため、同国内で実際にどれくらい犯罪が起きているのか、全体像をつかむのは非常に難しい。ただ、最近になって犯罪が多発しているとの情報が相次いで伝えられている。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。 両江道(リャンガンド)の情報筋は、人口約19万人の恵山(ヘサン)市内では3月以降、複数件の殺人、強盗、窃盗が起きていると伝えた。「夜が明けるたびにどこそこで殺人事件が起きた、強盗が入ったなどの不安になる話が連日入ってくるほど ...

北朝鮮版の「紅衛兵」とも言われる3大革命小組。工場や農村などに送り込まれ、技術者や支配人などを吊し上げにし、社会の隅々まで革命化するという集団だったが、あまりにも弊害が大きく下火になっていった。 そんな彼らが逆に「吊し上げ」に遭う事件が起きた。革命の浸透を目指す彼らの犯した罪とは?両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。 (参考記事:北朝鮮版「紅衛兵」になることを拒否する北朝鮮の若者たち) 道内の豊西(プンソ)郡で今月11日、陸の孤島のような山奥の材木場に派遣 ...

覚せい剤やアヘンなど違法薬物の乱用と韓流コンテンツ視聴に対する北朝鮮当局の厳しい取り締まりにもかかわらず、こうした行為は減っていないという。 平安南道(ピョンアンナムド)の情報筋は韓国デイリーNKに対し、「薬物犯罪と不純映像を取り締まるための法も制定され、党や勤労団体で思想教養も強化しているが、違法薬物の流通と不純映像の視聴は減っていない」と現地の実情を伝えた。 情報筋によると、北朝鮮では居住地域や所属階層、性別、年齢、所得水準に関係なく違法薬物類に容易にアクセスできる。これ ...

農繁期を控えた北朝鮮の農民を、毎年苦しめているものがある。窃盗だ。 北朝鮮の農場はコロナ前から、農作業に必要な様々な物資が不足していた。農業は国家計画に基づいて行われ、収穫物は国に上納させられるのだから、必要な物資も国から支給されてしかるべきだ。国がその義務を果たさないので、協同農場は借金をして調達していた。中には、他の農場から盗み出す者もいる。 (参考記事:ないないづくしで田植えを迎える北朝鮮の協同農場) 北朝鮮の刑法91条は、国家財産を盗んだ場合、最高で9年以下の労働教化 ...

韓国統一省の具炳杉(ク・ビョンサム)報道官は20日の定例会見で、「(北朝鮮の)一部の地域で餓死者が続出するなど、食糧難が深刻だと見ている」と述べた。 北朝鮮の食糧事情を巡ってはこのところ、韓国からこうした情報の発信が続いている。 まずは6日、聯合ニュースが「北朝鮮の中では生活水準が比較的高いとされてきた南部の開城市で、餓死する人が続出しているようだ」と報じた。北朝鮮情報筋の話として伝えたものだが、出所は情報機関である国家情報院(国情院)と見てまず間違いない。 15日には、権寧 ...

北朝鮮国営の朝鮮中央通信は19日、金正恩総書記の命令により、大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15」の奇襲発射訓練を18日に行ったと明らかにし、次のように述べて成果を誇った。 「不意に行われた大陸間弾道ミサイル発射訓練は、敵対勢力に対する致命的な核反撃能力を不敗のものに築くためのわが共和国戦略核武力の絶え間ない努力の実証である」 しかし、1990年代の大飢饉「苦難の行軍」以来とも言われる食糧不足の中、末端の兵士や元軍人らは、生き地獄のような飢えに苦しんでいる。 北朝鮮で栄誉 ...

北朝鮮で何らかの記念日のたびに開かれる「忠誠の歌の集い」。国営の朝鮮中央通信は昨年9月、首都・平壌で開かれた歌の集いについて報じている。 労働者階級と職業同盟員の詩・歌の集い 【平壌9月7日発朝鮮中央通信】朝鮮民主主義人民共和国創建74周年慶祝労働者階級と職業同盟(朝鮮職業総同盟)員の詩・歌の集い「心をささげよう 母なる祖国に」が6日、 平壌の中央労働者会館で行われた。 (中略) 出演者は、この地に人民大衆の底知れない自強力と団結した力で上昇一路をたどるチュチェの社会主義国家 ...

北朝鮮は8日に行った朝鮮人民軍(北朝鮮軍)創建75周年を記念する閲兵式(軍事パレード)で、過去最多の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を公開したとされる。 国営の朝鮮中央通信が公開した写真には同国最大級のICBM「火星17」が11基写っており、米カーネギー国際平和財団のアンキット・パンダ氏のツイッターへの投稿によると、ICBMの移動式発射台の数はこれまでのパレードと比べて最も多いという。同氏はまた、これだけのICBMに複数の核弾頭を搭載すれば、米国のミサイル防衛システムを飽和させ ...

よほどのことでない限り、全てはカネとコネの力で解決できるのが北朝鮮だ。高等教育機関とて例外ではない。 試験問題はブローカーから購入。入試前には、担当者にワイロを掴ませる。無事入学を済ませても、期末試験、論文審査などありとあらゆる機会に教授や大学関係者からワイロを求められる。 北朝鮮の学生にとって、教授や大学内の朝鮮労働党委員会の幹部は絶大な権力者だ。女子学生が「性上納」を求められるケースもある。黄海北道(ファンヘブクト)のある大学では党委員会の書記だった50代の男性が、数十人 ...

正確なデータは不明ながら、北朝鮮の首都・平壌の生活水準は、中進国レベルだとする向きもある。一方で地方、中でも農村部の住民は、極めて貧しい生活を強いられている。 当局は農村での住宅建設を行うなど、地方住民の生活向上を熱心にアピールしているが、平壌が圧倒的な優位にあり、その次に地方大都市、農漁村や炭鉱は最下位という北朝鮮のヒエラルキーは揺らがない。それは、人々の意識の面でも同じだ。 当局は都市部の若者を、彼らが自ら「嘆願した」形で農村や炭鉱の労働力として送り込む「嘆願事業」を行っ ...

昨年4月に完成した、北朝鮮の首都・平壌郊外のタワマン団地、松新(ソンシン)・松花(ソンファ)地区。ご自慢の国内最高300メートルの80階建てタワマンをはじめとして、160棟もの中高層マンションや公共施設が立ち並び、北朝鮮で今一番ホットなエリアだ。 ところが、わずか9カ月という「速度戦」(速いことはいいことだ)で建てられただけあって、様々な問題が浮上している。 速度戦で建設されたマンションは質が度外視され、手抜き工事となることが多い。平壌では2014年5月、23階建ての新築マン ...