北朝鮮国民は乳幼児を除けば、何らかの組織に属することになっている。エリートなら朝鮮労働党、若者なら青年同盟(社会主義愛国青年同盟)、街頭女性(専業主婦)なら女盟(朝鮮社会主義女性同盟)と言った具合だ。そのいずれの参加資格にも相当しない人でも、人民班(町内会)に所属することになっている。 所属先では思想教育、勤労動員、生活総和(総括)などの「組織生活」を行うことになっているが、かつてはその見返りに、食糧配給などの様々なメリットが得られることになっていた。しかし、そのメリットが失 ...

新型コロナウイルス対策として国境を封鎖した北朝鮮が、中国との国境地帯の警備を強化する中、増強兵力として女性兵士が投入されていると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えている。 咸鏡北道(ハムギョンブクト)の軍関係の情報筋はRFAに対し、「最近、国境地域の警備強化のため兵力が継続的に増強されているが、警備隊に新たに編入されているのは主として女性兵士の部隊だ。中隊単位で各地域に配置されており、臨時に設営された兵舎で寝起きしながら、見張り所での任務についている」と話した ...

北朝鮮では7月、日本の国会にあたる最高人民会議第14期第15回全員会議で、新たに麻薬犯罪防止法が制定された。これを受け、全国の安全部(警察)が主管し、違法薬物の乱用に警告を与えるための住民講演会が開かれていると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えている。 咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋がRFAに伝えたところでは、講演会を通じて当局は「薬物の乱用は国家・社会制度の安定と人民の生命と健康を害する危険な行為」であると強調。さらに、薬物の乱用に伴う処罰の強度を明ら ...

質よりもスピードを重要視する「速度戦」の弊害がまた現れた。 北朝鮮の首都・平壌では現在、金正恩総書記が打ち出したメガプロジェクト「平壌市1万世帯住宅」と「普通江川岸段々式住宅区」が進められている。安全装備もまともな食事も与えられず、長時間労働に追いやられた労働者が、事故で死亡する事例が相次いでいるが、問題はそれだけではない。 工事は今年3月に始まったばかりなのに、今年10月10日の朝鮮労働党創建日までに住民を入居させるという無茶苦茶な計画――いわゆる「速度戦」で工事が進められ ...

北朝鮮において、チャイナ・テレコムなど中国キャリアの携帯電話は、密輸、脱北、韓国と北朝鮮を結ぶ送金業など、国際電話ができない北朝鮮キャリアの携帯電話の代わりに、中国と国境を接する地域で広く使われてきた。 今も昔も違法であることには変わりないが、かつてはワイロで揉み消せた。しかし、それすら今では困難となっている。当局がこれら携帯電話を「国内情報の海外流出、海外情報の国内流入の元凶」と見て、厳しい取り締まりに乗り出しているからで、処刑される人すら出ている。 (参考記事:北朝鮮、中 ...

北朝鮮の朝鮮人民軍は、今年から兵役の期間を1〜2年短縮。繰り上げ除隊させた兵士たちを出身地に戻さず、「集団配置」と称して農村や炭鉱に送り込む計画を実行に移している。 金正恩総書記が打ち出した「国家経済発展5カ年計画」の達成には労働力が欠かせないが、それが大幅に不足しているのだ。具体的にどれほど不足しているのかは不明だが、農村、炭鉱地域の人口減少はかなり深刻なようだ。 (参考記事:金正恩の極秘情報をたまたま知った「平凡な主婦」の悲惨な運命) スキあらば配属先から逃げ出そうとする ...

深夜の鴨緑江に銃声が響き渡った。北朝鮮の社会安全省(警察庁)は昨年8月、中国との国境線や、その1〜2キロ以内の緩衝地帯に許可なく接近すれば、人であれ動物であれ無条件で銃撃するとの布告を出した。人と物の行き来を完全に遮断することで、新型コロナウイルスの国内侵入を完全に防ごうというものだが、布告のせいで銃弾に斃れる人が相次いでいる。 (参考記事:「餓死を免れるため」命がけで外出する北朝鮮の障害者たち) 今月11日にも、20代の若者が撃たれて死亡する事件が両江道(リャンガンド)の恵 ...

地元住民とのしがらみでまともな国境警備ができないとの理由からか、国境警備隊に成り代わって派遣された朝鮮人民軍の特殊戦部隊、通称「暴風軍団」。 粗暴な振る舞いや頻繁なトラブルで、地元住民からすっかり嫌われてしまったようだ。撤収命令が出されていたが、建設予定のコンクリート壁と高圧電流の流れる電線が未だに完成に至っていないため、現在も国境地域に留まっている。 (参考記事:金正恩の特殊部隊 「ポンコツ」過ぎて中朝国境から撤収) 咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋によ ...

北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は21日、「全国の大家庭の慈悲深いオボイ(親)であらせられる敬愛する金正恩元帥様に謹んで申し上げます」というタイトルのつけられた長文の手紙を掲載した。 「8月1日と2日の間に降った大雨で家を失い行き場を失ったものの、母なる党の限りなき愛を胸熱く受け取ったわれわれは敬愛する元帥様に一気に走り寄り、感謝のご挨拶、クンジョル(ひざまずいてお辞儀)を捧げたい気持ちを押さえられず、謹んでこの手紙を送ります」の一文で始まるこの手紙、差出人名は、「水害被害 ...

北朝鮮の労働現場の映像を見ていると、ワゴン車に積まれたスピーカーから威勢のいい声で何かを叫びつつけている一団をよく見かける。現地で「扇動隊」と呼ばれているものだ。正式には「機動芸術宣伝隊」と呼ばれ、1961年に故金日成主席の指示に基づいて発足した。 工場、企業所、協同農場、建設現場を周り、朝鮮労働党の政策を宣伝し、歌って踊って労働意欲を高めるのが目的で、優秀な隊には賞が与えられる。 (参考記事:北朝鮮で18年ぶり宣伝活動家大会…金正恩氏が書簡) どんな効果があるのか甚だ疑問だ ...

北朝鮮の高位幹部たちの間で、金正恩総書記が新型コロナウイルスのワクチン接種を受け、強い副反応が出たとする噂がささやかれているという。 デイリーNKの内部情報筋が伝えたところによると、「(金正恩氏は)5月、地方の特閣(別荘)でワクチン接種を受け、高熱や嘔吐など強い副反応が出たため、しばらく静養を余儀なくされた」というのがその内容だ。また、金正恩氏と直接会う高位幹部100人余りもワクチンを接種したとされているという。 (参考記事:【動画】金正恩「死亡映像」が北朝鮮で拡散…当局厳戒 ...

昨年1月のコロナ鎖国以降、北朝鮮当局は国境警備を今までになく強化し、脱北と密輸を完全にブロックしようと躍起になっている。国境地帯の兵力まで増員したものの、うまくいかなかなかったため、1400キロに及ぶ中国との国境にコンクリート壁と高圧電流の流れる電線を設置するという、とてつもない計画をぶち上げた。 ところが、コロナ鎖国による物資不足で、予定した10月10日の朝鮮労働党創建日までの完成など夢のまた夢。空き缶と空き瓶を紐でぶら下げ、人が接近すると音がするという原始的な仕掛けを設置 ...

北朝鮮の朝鮮中央通信は22日、「平壌市1万世帯住宅」建設を鼓舞する絵画の創作活動が活発に繰り広げられているとする記事を配信した。 平壌市1万世帯住宅は、「普通江川岸段々式住宅区」とともに、金正恩氏が今年3月に打ち出した建設プロジェクトだ。 万寿台(マンスデ)創作社、中央美術創作社、平壌美術大学などの作家による創作作品には、「決死貫徹」「現場治療隊」「見舞いの手紙」「徹夜作業」などがある。建設現場の労働者や兵士を鼓舞する目的で作られているらしいが、むしろ危険な作業が行われている ...

北朝鮮当局は先月から、一般住民を対象に若者の思想教育が重要だという内容の政治講演会を行っている。しかし、住民の反応は極めて冷淡だと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じている。 咸鏡北道(ハムギョンブクト)清津(チョンジン)の教育分野の情報筋は、最近になって、若者の政治思想教養事業の重要性が強調されるようになり、先月から中央の指示に基づき、住民向けの政治講演会で学生、生徒の思想教養問題が最重要課題として取り上げられるようになっていると伝えた。 しかし、教育が大切と ...

白頭山密営は、金日成主席率いる抗日パルチザン部隊が本拠地としていた場所で、実際は旧ソ連(現、ロシア)のハバロフスクまたはウスリースク近郊で生まれた金正日総書記も、北朝鮮の正史ではこの地で生まれたことになっている。 金正恩総書記につながる「白頭の血統」にとっては「聖地の中の聖地」であり、多くの国民が踏事(一種の巡礼)に訪れる。そこで、とんでもない事件が起きた。 両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋によると、三池淵(サムジヨン)市安全部(警察署)所属の白頭山密営分駐所( ...

いずれも美貌で評判だったという彼女らは元々、「5課対象」だった。中央党(朝鮮労働党中央委員会)5課は、いわゆる「喜び組」など金正恩総書記の身辺の世話をする要員の選抜・管理を行っている。 (参考記事:山に消えた女囚…北朝鮮「陸の孤島」で起きた鬼畜行為) かつての中国では、学校卒業後の就職先は、国から割り当てられるものだった。これを「統包統配」と呼んでいたが、各国有企業は終身雇用の余剰人員を大量に抱え込むこととなり、また、働き口のない若年層失業者が解消することはなかった。 改革開 ...