18人――これは、北朝鮮の北東部、人口約230万人の咸鏡北道(ハムギョンブクト)の安全局(県警本部)の勾留場(留置場)で、今年の第4四半期に入ってから非公開処刑された人の数だ。 北朝鮮ではこれまで、公開処刑が頻繁に行われていた。残酷な光景を見せることで国民の恐怖を煽り、犯罪抑止に繋げようという意図から行われていたが、国際社会からの批判を気にしてか2015年ごろからあまり行われなくなっていた。それが2019年ごろから復活したが、最近になって再び、非公開で処刑が行われるようになり ...

北朝鮮の市場の物価は、他の国と同じように、需要と供給に基づいて形成される。農産品を例に挙げると、前年の収穫が底をつく春から夏にかけて上昇し、秋の収穫と共に下落する。 しかし、しばしば不自然な価格の上下が見られる。下落は、価格を抑えようと海外から輸入した物品が市場に放出された影響と思われる。一方、不自然な上昇はどのようにしてもたらされるのだろうか。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)の情報筋が、その理由を説明した。 平安南道(ピョンアンナムド)の殷山(ウンサン)の情報筋に ...

北朝鮮当局は最近、今まで以上に思想教育に注力するようになっている。その主な対象は若者だ。 国から食糧や生活必需品の配給を受けた経験があまりなく、商売などで自分の力で生きてきた若者は、国や指導者に対する忠誠心が薄く、国や社会より個人を優先する傾向が強い。 当局は、そんな思想動向が国の根幹を揺るがしかねないと考え、思想教育を強化している。だが、表面的にはおとなしく従うふりをして、裏ではやりたい放題の若者に思想教育を強化したところで、砂漠に水を撒くも同然だろう。 (参考記事:北朝鮮 ...

北朝鮮の地方政府の主な収入源と言えば、市場で商売する商人から徴収する市場管理費(ショバ代)だ。ところが、コロナ鎖国による経済不況で、市場の景気はどん底。モノが売れず、ショバ代すら払えない人たちは、市場の周辺の路上などで露店を開いて商売をしている。取締官が来れば、イナゴのように飛んで逃げてしまうことから、そんな人々のことを、「イナゴ商人」と呼ぶ。 取り締まりは強化される一方だが、税収の減少、資本主義的行為の蔓延、コロナ対策、美観を損ねるなど様々な理由が挙げられている。 (参考記 ...

2000年代の初め、小泉純一郎首相(当時)の第1次訪朝に向けた北朝鮮側の交渉役となり、日本では「ミスターX」として知られた柳敬(リュ・ギョン)国家安全保衛部副部長。金正日総書記から絶大な信頼を寄せられた最側近だったが、2010年2月、突如として処刑された。 その内幕については一説に、金正日氏の義弟である張成沢(チャン・ソンテク)元朝鮮労働党行政部長が柳氏のパワーを警戒し、スパイの濡れ衣を着せて処刑に追い込んだと言われていた。 柳氏本人のみならず、家族全員が銃殺されたとも言われ ...

「最近、食堂をはじめとした一部の社会奉仕施設(サービス業)が、規定に背いて密かに個室、マッサージルーム、チムジルバン(サウナ)を設置し、客を引き入れ、一部な退廃的な行為まで繰り広げている」(北朝鮮・新義州<シニジュ>の情報筋) ここで言う「退廃的行為」とは売春などを指すが、北朝鮮の刑法249条「売淫罪」は「売淫行為を行った者は1年以下の労働鍛錬刑に処し、罪状の重い者には5年以下の労働教化刑に処す」と定めている。また、行政罰を定めた行政処罰法220条「売淫行為」は「売淫行為を行 ...

たった5分間の「過ち」が14歳の少年の人生を狂わせてしまった。 北朝鮮・両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋は、韓国映画を少し見ただけの中学生に対して実刑判決が下されたと伝えた。 道庁所在地の恵山(ヘサン)市の初級中学校に通っていたハン君(14歳)は11月7日、2010年に公開されたウォン・ビン主演の韓国映画「アジョシ」を見始めたが、わずか5分後に逮捕された。 韓流取締法とも呼ばれる「反動的思想・文化排撃法」の27条は、南朝鮮(韓国)の映画や録画物、編集物、図書、歌 ...

北朝鮮の金正恩総書記の妹・金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党宣伝扇動部副部長の消息が、54日間にわたり公開されていない。韓国紙・朝鮮日報が6日付で伝えたところによれば、韓国の情報当局も彼女の動静を把握できておらず、「金与正氏の周辺で異常事態が起こった」との見方さえあるという。 ただ、韓国の専門家の間では、金与正氏は権力中枢で内部作業に取り組んでいるという見方が大勢のようだ。 昨年6月、韓国と合同で運営していた南北共同連絡事務所を爆破して以来、「対外強硬派」の立ち位置を固めたよ ...

今年10月、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の清津(チョンジン)繊維化学工場で爆発が起き、2人が重体、5人が軽傷を負う大事故へと発展した。昨年5月には、咸鏡南道(ハムギョンナムド)虛川(ホチョン)の食品工場で爆発が起き、2人が死亡した。 いずれも「自力更生」という朝鮮労働党の方針に基づき、ノルマ達成や独自技術の開発を急かされた結果だ。咸鏡北道の富寧(プリョン)郡の工場でも同様の事故が発生、多くの死傷者が発生した。 (参考記事:北朝鮮の工場で大規模爆発…原因は「党の押し付け」) 今 ...

北朝鮮当局が、若い男性の間で流行しているレザーコートを取り締まっていると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えている。 RFAによると、首都・平壌郊外の流通拠点で、流行に敏感な平城(ピョンソン)の若い男性の間では最近、レザーコートが流行している。現地の情報筋の話では、流行のきっかけは、金正恩総書記が2019年にレザーコートを着て朝鮮中央テレビに登場したことだ。 また、今年1月の朝鮮労働党第8回大会では、金正恩氏のみならず、妹である金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党 ...

北朝鮮の国営病院内の薬局長として勤務していた女性が、病院に支給された薬を横領、販売し、利益を得ていた容疑で逮捕された。周囲もその犯罪には気づいていたが、何も言い出せなかったという。 現地の病院では一昨年、ある若い女医がが処刑される悲劇的な事件があった。 どうやら問題の根は、この横領事件にあったようだ。 (参考記事:若い女医の死で幕を閉じた北朝鮮「恐怖病棟」での出来事) 両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋によると、逮捕されたのは、三池淵(サムジヨン)市病院の薬局長を ...

北朝鮮は、新型コロナウイルス防疫関連規則や、「韓流取締法」とも呼ばれる「反動的思想・文化排撃法」の違反者を、次々に管理所(政治犯収容所)に送り込んでいる。 デイリーNKの内部情報筋は、昨年から今年にかけて多くの法律が制定され、管理所送りになる人が増えていると証言。 その理由を、「当局は悪性伝染病(新型コロナウイルス)による国境封鎖後、厳重な非常防疫体制を続けているが、そんな状況下で法に違反した人々を政治的に深刻な問題を起こした者とみなしているためだから」と説明した。 (参考記 ...

北朝鮮北部の両江道(リャンガンド)金亨稷(キムヒョンジク)郡に住んでいた一家4人が、親しくしていた国境警備隊員に睡眠薬を飲ませ、寝入った間に国境を越えて脱北した事件が起きたのは今年10月のこと。 金正恩総書記は、「億万のカネをつぎ込んででも、民族反逆者を無条件で捕まえて、見せしめとして厳罰にせよ」と命じていたが、金亨稷郡の対岸の中国吉林省で逮捕されていたことがわかったと、現地のデイリーNK内部情報筋が伝えた。 金正恩氏の厳命があったことから、4人は処刑されるか、管理所(政治犯 ...

中国・丹東にある北朝鮮レストラン(北レス)の従業員たちが、国家が要求する上納金を作るため過酷な境遇に追いやられていると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えている。 かつて、北朝鮮の外貨稼ぎビジネスの重要な柱だった北レスは、一時は中国国内に100店以上を数えた。しかし、経済制裁やコロナ禍の影響で多くの店が閉店。その後、一部は営業を再開したものの、今度は新型コロナウイルスのせいで観光客が激減してしまった。 それでも、経済難が深刻化する一方の本国は、上納金の要求を弱め ...

脱北者で韓国紙・東亜日報記者のチュ・ソンハ氏が自身のYouTubeチャンネルで、北朝鮮で起きた衝撃的な事故について伝えている。 同国の空軍史上、最悪の惨事となった价川(ケチョン)飛行場での事故で、通信部隊の女性兵士27人が燃え盛るバンカー(地下格納庫)の中に閉じ込められ、全員が死亡する悲劇的な最期を遂げたのだという。 北朝鮮では民間でも軍でも、大規模な事故が多発している。軍はその性格上、作戦遂行や被害拡大の防止を優先するため、人命救助が後回しになることも多いようだ。 (参考記 ...

昨年1月の国境封鎖以降、深刻な食糧難に瀕している北朝鮮。厳重な国境警備にもかかわらず脱北事件が相次いでいる。 脱北を取り締まる側である、国境警備を担当する国境警備隊、抑圧体制を末端で支える保衛部(秘密警察)の中から脱北者を出すほど、事態は深刻だ。 (参考記事:「死体だけでも発見せよ」北朝鮮の刑事が忽然と消えた魔境地帯) 一般国民ならなおさらのことだ。中国との国境に接する咸鏡北道(ハムギョンブクト)会寧(フェリョン)市の遊仙(ユソン)労働者区に住んでいた20代女性、キムさんも、 ...