「陸の孤島」に閉じ込められる北朝鮮女性たちの絶望
安全部には、国民一人ひとりの居住地や賞罰履歴、思想動向などを詳しく記録した「文件」が存在するため、調べれば誰が農村出身かはわかるようになっている。農村出身と判明すれば、都市部で生まれ育った夫、子どもなど家族もろとも、農村に強制移住させられる。
平安北道(ピョンアンブクト)の情報筋も、定州(チョンジュ)市で2010年以降に結婚を機に都市部に移住した農村出身の女性に対する調査が進められていると伝えた。
定州市には18カ所の協同農場があり、情報筋は正確な数はわからないものの、最大で2000人近い数になるだろうと見ている。
女性だけが調査対象となるのは、夫の居住地に妻が移住するのが一般的であることと、「女性こそが農村に根を下ろして農村陣地を守るべき」という朝鮮労働党の考え方が根底にあるとのことだ。しかし、貧困から逃れるため、偽装結婚をしてまで都市部に移住する女性も多い。