北朝鮮軍当局が1月、軍幹部らを対象に「不純映像物」の一斉取り締まりを行ったと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)伝えている。取り締まりの結果、多数の幹部が韓流や日本など外国の映画やドラマ、歌などが収められた記録媒体を隠し持っていたことが明らかになり、軍当局に緊急が走っているという。 平壌市のある軍関連情報筋はRFAに対し、「朝鮮人民軍(北朝鮮軍)総政治局では今年1月初めから1ヶ月間、国防省の直轄部隊と総参謀部の直属部隊を対象に、不純映像媒体の利用と所持に関する集中検閲 ...

北朝鮮の金正恩総書記は18日、咸鏡南道(ハムギョンナムド)咸州(ハムジュ)郡蓮浦(リョンポ)地区に建設される「連浦温室農場」の着工式に参加したが、これを報じた朝鮮中央テレビのニュースにはちょっと異様な光景が映し出された。 マスクを着用し、間隔を空けて整然と並んでいた軍の兵士らが、突然わらわらと駆け出し、金正恩氏のもとに殺到したのだ。 独裁国家である北朝鮮において、最高指導者の身の安全は国家の最重要事項だ。それを守るためには、国民の生命を含めどんなものでも犠牲にされる。当局は常 ...

北朝鮮国営の朝鮮中央テレビは昨年12月27日、「都会の娘が嫁に来る」というタイトルのドキュメンタリー番組を放映した。 1990年にリリースされた同名の歌と、1993年に公開された同名映画のバックグラウンドヒストリーを探るというものだったが、いずれもとかく評判の悪い農村のイメージ改善を図るプロパガンダが制作の目的だった。そこに、なぜ30年経った今、改めて焦点を当てられているのか。 「20代女性」を改造 咸鏡南道(ハムギョンナムド)のデイリーNK内部情報筋は、今月5日に咸興(ハム ...

デイリーNKの現地情報筋によれば、平壌・平川(ピョンチョン)区域で昨年12月22日、のマンションの外壁に「金正恩の犬野郎、人民がお前のせいで餓死している」とする落書きが見つかったという。 北朝鮮では、最高指導者の権威は神聖不可侵であり、それを傷つける行為は何よりも重大な政治的事件として扱われる。処刑や政治犯収容所送りなどの厳罰が下されるのは言うまでもない。 2018年に発生した落書き事件では、犯人の朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の作戦局上級参謀の大佐ら2人が、自動小銃で公開処刑された ...

韓国防衛事業庁は2022年2月1日、エジプト政府とハンファ・ディフェンス製K9自走榴弾砲の輸出について契約を結んだと発表した。これを受け、文在寅大統領は同日、「今回の契約は2兆ウォン(約1930億円)を超えるものであり、K9自走砲としては最大規模の輸出を記録しただけでなく、わが国の兵器体系の優秀さが改めて認められる契機になった」とのコメントを発表した。 文在寅氏は1月の中東歴訪に際し、エジプトのアブドルファタハ・シシ大統領との会談で直接、K9自走砲を売り込んだ。そうした経緯も ...

今月8日は建軍節。1948年に朝鮮人民軍(北朝鮮軍)が設立されたことを祝う記念日だ。また、16日は光明星節、金正日総書記の生誕記念日だ。このような政治的に重要な記念日の前後は、一切の事件、事故の発生は許されない。 ところが、そんな中で航空・反航空軍(空軍・防空軍)の基地内で大規模な火災が発生したと、デイリーNKの北朝鮮軍内部情報筋が伝えた。 火災が起きたのは7日午後8時ごろ。首都・平壌の外れに位置する航空・反航空軍の後方司令部(補給担当部隊)直属の警備小隊の区分隊の兵営では、 ...

北朝鮮の金正恩総書記の「コスプレ」が、日韓の一部メディアで話題となっている。 金正恩氏は12日、平壌で行われた「和盛地区1万世帯住宅建設」の着工式に参加した。その際、父親である故金正日総書記を思わせる、サングラスにカーキ色のジャケット姿で登場したのだ。 北朝鮮では、金正日氏の生誕記念日である光明星節80周年を16日に控え、大々的な祝賀行事の準備が進んでいる。今回の金正恩氏のコスプレは、この機会に父親の「権威」を自らに取り込もうとする目的があるのかもしれない。 もともと金正恩氏 ...

「脱営」とは軍隊から無断で脱走することを指し、多くの国で犯罪行為として扱われる。それは北朝鮮とて同じで、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)では、脱営した兵士に対しては生活除隊(不名誉除隊)の処分を下していた。だが、最近になってその方針を転換し兵役が満了するまで勤務を続けさせることにした。その理由について、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じている。 咸鏡北道(ハムギョンブクト)茂山(ムサン)の軍関連の情報筋は、朝鮮人民軍総政治局が先月、脱走兵を処罰する代わりに、精神教養と思想 ...

深刻化する北朝鮮の少子化。それを示す国勢調査の数字は極秘とされ、公開されていないため、具体的にどれほど深刻なのかはわからない。 いずれにせよ深刻なことに変わりはない。米政府系のラジオ・フリー・アジアの報道によれば、金正恩総書記は避妊と妊娠中絶を禁止する命令を出したほどだ。 (参考記事:金正恩の極秘情報をたまたま知った「平凡な主婦」の悲惨な運命) 少子化の理由のひとつとして指摘されているのは、育児をするほど国民に経済的余裕がないということだが、これに対して金正恩氏は昨年9月の最 ...

かつて、金正恩総書記の祖父・金日成主席と抗日パルチザン活動を行っていた人とその子孫は、北朝鮮の身分制度において最上位に位置し、様々な優遇を受けることから「赤い貴族」とも呼ばれている。 法による公正が実現されているとは言い難い北朝鮮社会で、こうした特権階級に傍若無人な振る舞いが見られるのは言うまでもない。 例えば、金日成氏の護衛を担当する護衛総局の局長を務めた呉白龍(オ・ベクリョン)氏を父に持つある軍人は、若い女性看護兵を自分専用の軍医に仕立てた上で、5年にも渡って性上納を強要 ...

北朝鮮国営の朝鮮中央テレビは、今月1日の旧正月当日の午前9時過ぎから、「偉大な勝利の年2021年」という番組を放映した。1時間40分にわたって金正恩総書記を礼賛し続けるというこの番組、冒頭には白馬に乗って海辺に佇む金正恩氏が、最後には白馬に乗って疾走する金正恩氏が登場する。 この番組だが、北朝鮮の若者たちには鼻で笑われているようだ。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。 平安北道(ピョンアンブクト)新義州(シニジュ)の教育部門に勤務する情報筋は、番組を見た若者た ...

2月16日は光明星節、金正日総書記の生誕記念日だ。特に今年は生誕80周年とあって、コロナ鎖国の経済難の中でも盛大に祝われるだろう。その日を飾るのは金正日花。日本の園芸業者が1988年、金正日氏の46歳の誕生日を祝って贈ったとされているベゴニアの一種だ。 最高指導者の名前が付けられているだけあって、その扱いは肖像画など同様に慎重を要し、間違った扱い方をすれば法的処罰の対象となる。実際、金正日花の管理者が相次いで処罰を受けていると、両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋が ...

北朝鮮が先月30日、大々的な赦免(恩赦)を行った。これに合わせて社会安全省(警察庁)は、各地域の安全局(警察本部)に対して「退所者談話」(出所者との面会)を行うよう指示を下した。 コロナ鎖国による生活苦が加重し、国民の不満がくすぶる中、出所者がよからぬ雰囲気を社会にもたらし、思想的な緩みが生じないようにする意図があるものと思われる。 (参考記事:北朝鮮の大規模な恩赦、デイリーNKは昨年末に報道) 江原道(カンウォンド)のデイリーNK内部情報筋は今月3日、社会安全省は各区域の安 ...

北朝鮮の首都・平壌市保衛局の高位幹部が家族もろとも管理所(政治犯収容所)送りとなった。保衛局と言えば、公開処刑や拷問、管理所の運営を担う、金正恩体制の恐怖政治を象徴する存在だ。ただならぬ事態に、幹部らは震え上がっている。平壌のデイリーNK内部情報筋が伝えた。 このことは、先月29日に配布された通報資料を通じて幹部らに知らされた。 平壌市保衛局の責任イルクン(部署のトップ)の20代の息子が、韓流ドラマや映画を常習的に視聴するにとどまらず、周りの友人らにソフトが保存されたデバイス ...

北朝鮮の朝鮮社会主義女性同盟(女性同盟)のメンバーが、光明星節(2月16日、金正日総書記の生誕記念日)を祝うイベントの準備中に、保衛部(秘密警察)に摘発される事件が起きた。その容疑は、マスク未着用と替え歌だった。 咸鏡北道のデイリーNK内部情報筋によると、事件の概要は次のようなものだ。 咸鏡北道女盟は先月22日、道内のすべての初級団体(下部組織)に対して、光明星節を迎えて忠誠の歌の集まりを開くので準備せよとの指示を下した。同時に、コロナ感染のリスクを考慮して、防疫規則を徹底し ...

年初からミサイル発射を来る返し、対外的には武力示威を続けている北朝鮮。しかし金正恩総書記の頭の中は、内政上の難題でいっぱいなのかもしれない。 金正恩氏は昨年12月に開かれた朝鮮労働党中央委員会第8期第4回総会で様々な案件に言及したが、半分近くを農業問題に割いた。北朝鮮と金正恩氏が農業問題をいかに重要に捉えているかがよく表れている。 それに対する農民や農業関係者の反応は、「失望した」というものだ。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。 (参考記事:「農民の古い思想 ...