北朝鮮国営の朝鮮中央通信は7日、同国オリンピック委員会と体育省が中国オリンピック委員会などに書簡を送り、北京冬季五輪への不参加を伝えたと報じた。 同通信によれば、書簡は「オリンピック競技大会の成功裏の開催を阻んでみようとする米国と追随勢力の反中国陰謀策動がより悪らつになっている」とし、「これを国際オリンピック憲章の精神に対する冒とく、中国の国際的イメージをダウンさせようとする卑劣な行為にらく印を押し、断固反対、排撃する」と強調した。 そのうえで、「敵対勢力の策動と世界的な大流 ...

北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は8日、金正恩総書記の「愛民(国民愛)」エピソードを公開した。この日は、金正恩氏の38歳の誕生日である。 エピソードの舞台となったのは、2013年、金正恩氏の号令の下に建設された平壌の総合ウォーターパーク「紋繍(ムンス)遊泳場」だ。 2012年から本格始動した金正恩政権は当時、美林(ミリム)乗馬クラブや馬息嶺(マシンリョン)スキー場など、国民の余暇生活充実や観光収入の増大を目的に、これらレジャー施設の建設に力を入れていた。 同紙によると、紋繍 ...

北朝鮮の金正恩総書記に、また健康異常説が持ち上がった。 国営の朝鮮中央テレビは5日、先月27日から5日間にわたって開催された朝鮮労働党中央委員会第8期第4回総会の映像を放映した。その中で、金正恩氏の後頭部が映し出された際、医療用テープと思しきものを貼って剥がしたような跡が見られたのだ。 金正恩氏の健康状態を巡っては、先月17日に行われた父・金正日総書記の「逝去10周忌中央追悼大会」に参加した際の映像が話題になったばかりだ。まだ30代の金正恩総書記の顔が、50代かと見まがうほど ...

2016年、ロシアのハバロフスクで、ひとりの北朝鮮労働者が現場から逃げ出す事件が発生した。この労働者は発見され、監視役として派遣されていた保衛部員(秘密警察)に連行され、見せしめのためひどい暴行を受けた。 監視役は労働者が再び逃げられないようにアキレス腱を切ったり、掘削機で足を叩き潰したりするなど、非道の限りを尽くしたと伝えられている。 (参考記事:アキレス腱切断、掘削機で足を潰す…北朝鮮労働者に加えられる残虐行為 ) それから5年経ったが、実例の報告はないものの、同様の「指 ...

過去に行われた北朝鮮の軍事パレードで登場した、放射性物質を示すマークが付いたリュックサックを持って行進する兵士たち。米政府系ラジオ・フリー・アジア(RFA)の咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋によると、これは朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の各軍団の下に立ち上げられた「核リュック部隊」だ。 各軍団の偵察小隊と軽歩兵旅団の優秀な人員からなるとされており、金正恩時代になって登場した精鋭部隊と言える。 そんなエリート部隊の一つ、平安北道(ピョンアンブクト)の東林(トンリム)に駐屯する第8軍 ...

日本政府は5日、北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射され、日本海上に落下したと発表した。また韓国軍の合同参謀本部も同日、北朝鮮が朝鮮半島東の海上に向けて未詳の飛翔体を発射したと発表した。 北朝鮮の金正恩総書記は昨年12月27日から5日間にわたり開かれた朝鮮労働党中央委員会第8期第4回総会で、国防について「日ごとに不安定になっている朝鮮半島の軍事的環境と国際情勢の流れは、国家防衛力の強化を片時も緩めることなくいっそう力強く推し進めることを求めている」と指摘した。 また ...

昨年11月、北朝鮮・咸鏡南道(ハムギョンナムド)の咸興(ハムン)市人民委員会(市役所)の庁舎前に、多くの中高年男性が集まり、抗議の声をあげた。彼らは、30年以上指揮官を勤めた除隊軍官(退役将校)たち。いったい彼らに何が起きたのか。 国際社会の制裁とコロナ鎖国により北朝鮮の経済難が深刻さを増す中、かつては厚遇されていた除隊軍官への待遇が徐々に悪くなっている。つい先日も、露天商をして暮らしていた除隊軍官の一家が、経済的に困窮し、餓死寸前になって辛うじて発見され、一命を取り留める事 ...

北朝鮮が今年になってから発行した「トンピョ」。かつて発行されていた「ウェファワ・パックン・トンピョ」(外貨と替えた金券)と同じような機能を持っているようだが、かつてとは異なり、北朝鮮の人々からは評判が悪い。 受け取りを拒否したり、額面の半分で値踏みして受け取ろうとしたりする事例が相次いでいる。信用があまりにもないことが理由だが、当局は取り締まりと厳罰で対応していると、デイリーNKの複数の内部情報筋が伝えている。 (参考記事:信頼されない北朝鮮の「トンピョ」…額面の半分で取り引 ...

2018年に発生した落書き事件では、犯人の朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の作戦局上級参謀の大佐ら2人が、自動小銃で公開処刑され、家族は管理所(政治犯収容所)送りとなっている。 (参考記事:北朝鮮軍の大佐「落書きしまくり」で公開処刑か) 昨年12月下旬、時まさに朝鮮労働党中央委員会第8期第4回総会を控えていた北朝鮮の首都・平壌で、金正恩総書記を批判する落書きが発見され、大騒ぎとなった。デイリーNK内部情報筋によると、落書きが発見されたのは12月22日のこと。午前4時20分ごろ、平川(ピ ...

あなたが使っている「つけまつげ」。「メイド・イン・チャイナ」と書かれていても、もしかすると北朝鮮の刑務所で、囚人の手により作られたものかもしれない。 北朝鮮は、国際社会の制裁が強化される前からつけまつげやかつらの加工、輸出を行ってきた。その中の一部は、教化所(刑務所)で製造されているのだが、最近になって中国の業者からの発注が増え、ノルマが大幅に増やされたと、デイリーNK内部情報筋が伝えた。 (参考記事:北朝鮮製「つけまつげ」密輸のシビアな現場) ノルマが増やされたのは12月の ...

1980年代以前の北朝鮮は、非常に犯罪の少ない国だったと言われている。配給システムが機能し、住宅から食料品に至るまでほとんどのものを国が無料、または安価に配給し、「貧しくとも生きていける皆が平等」な国だったからだ。 それが1990年代、未曾有の食糧危機「苦難の行軍」を境に配給システムが崩壊し、餓死者が続出した。生きるために市場で商売する者もいれば、犯罪に走る者もいた。極度に悪化した治安対策として金正日総書記は、公開処刑を繰り返し、恐怖で国民を統制しようとした。 そして、経済制 ...

クリスマスを前後して日本、韓国には大寒波が襲来したが、その影響は北朝鮮にも及んでいる。24日、北朝鮮北東部の咸鏡北道(ハムギョンブクト)に強風が吹き、住宅に被害が出ていると、現地のデイリーNK内部情報筋が伝えた。 鐘城(チョンソン)、富寧(プリョン)、羅先(ラソン)などでは電柱が倒れ、鉄道沿いの高圧線が絡んでショートを起こし、列車の運行が3日間停止となった。 また、マンションのベランダにあったものとどこかに吹き飛ばされ、金正恩総書記の肝いりで昨年建てたばかりの平屋建て住宅のト ...

北朝鮮で27日から、朝鮮労働党中央委員会第8期第4回総会が開かれている。朝鮮中央通信によれば、総会では党および国家政策の実行状況が総括されるという。 その具体的な内容は3~4日間の日程が終わるまで明かされないようだが、とりあえず注目されるのは、金正恩総書記の動静だ。同通信は、金正恩氏が党中央委員会政治局の委任によって総会を司会していると明らかにしており、特に異変は見受けられない。 こんなことを指摘するのは、今月17日の行事に参加した際の金正恩氏の映像について、まだ30代とは思 ...

北朝鮮・平安北道(ピョンアンブクト)の新義州(シニジュ)市郊外にある白土里(ペクトリ)にある3号教化所(刑務所)から今月18日、煙が上がった。市内中心部から南へ数キロ、新市街地に隣接した地域だけあって、時間帯がもし昼間だったら、その光景を目の当たりにした市民の間に動揺が広がったことだろう。 この煙の正体は、70体もの遺体を火葬した際のものだった。 いかに環境が劣悪で、虐待が横行する北朝鮮の刑務所といえども、この数はさすがに異常と言える。 (参考記事:若い女性を「ニオイ拷問」で ...

コロナ鎖国による経済難に追い込まれている北朝鮮で、犯罪が多発している。 平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋が伝えたのは、駅前の「待機宿泊」を舞台にした睡眠薬強盗だ。待機宿泊とは、運行状況の不安定な列車の利用客が、列車が到着するまでに滞在する駅前旅館的な存在で、一般人が気軽に利用できる数少ない宿泊施設だ。 待機宿泊を巡っては、宿泊者の将校が、売春女性から重要書類を盗まれた事件に関する情報が伝えられたばかりだ。ちなみに待機宿泊を営むことそのものが違法行為に当たり ...

「このXX野郎どもめ、何が人民の下僕だ!」 北朝鮮では、庶民がイナゴ商人(露天商)の取り締まりなどに当たる安全員(警察官)に、こんな暴言を浴びせかけて抗議することがしばしばある。 しかし、今回そんな言葉を食らったのは、直接ではないとは言え、地方のトップだというから驚きだ。いったい何が起きたのか。咸鏡南道(ハムギョンナムド)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。 (参考記事:「どうやって食えというのか」北朝鮮で集団抗議活動、当局緊迫) 話の主人公は70代女性のキムさん。北朝鮮第2の ...