最近、脱北して中国に住む娘からの送金を受け取った北朝鮮国民が、保衛部(秘密警察)に逮捕された。その経緯を巡って、市民の間に衝撃が広がっている。咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。 会寧(フェリョン)在住のキムさん(50代)が会寧市保衛部に逮捕されたのは今月15日のこと。キムさんは送金ブローカーを通じて、中国から送られてきた送金を受け取った。6000元(約10万8000円)を受け取った。 最近、送金手数料が高騰しており、送金額の4〜5割に達することから ...

コロナ鎖国下の苦境にある北朝鮮では、国営工場や機関などから窃盗事件が相次いでいる。勤め先にある設備や産出物を盗んで売り払い、食糧に換えているのだ。 部外者では接近できないところにアクセスできる職権を乱用した犯罪だが、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は、食糧倉庫で起きた窃盗事件について伝えている。 (参考記事:北朝鮮の鉱山で食糧配給が全面中断「ネコババ」で食いつなぐ労働者) 咸鏡北道(ハムギョンブクト)漁郞(オラン)の情報筋によると、郡内の糧政事務所(食糧事務所)で最 ...

コロナ鎖国による経済苦境で、犯罪の増加が伝えられる北朝鮮。しかし、断片的な情報は出てくるものの、当局が統計を発表せず、国営メディアも事件報道を原則として行わないため、どれほどの犯罪が起きているのかを知るのは非常に難しい。 そんな中、北東部の咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋が、道内における犯罪の統計について伝えた。発生件数の数字はなく、犯罪の種類別の占有率が示されただけだが、それでも参考にはなる。 先月28日午前、咸鏡北道法務部のイルクン(幹部)を中心に、道 ...

北朝鮮版の紅衛兵とも言われる3大革命小組。工場や農村などに送り込まれ、技術者や支配人などを吊し上げにし、社会の隅々まで革命化するというものだったが、あまりにも弊害が大きく下火になっていった。 それが、最近になってまた盛り上がりを見せているのだが、3大革命小組に召集されたくない若者たちからの大きな抵抗に遭っていると伝えられている。 一方、咸鏡南道(ハムギョンナムド)端川(タンチョン)市の検徳(コムドク)鉱山では、送り込まれてきた3大革命小組員が問題を起こしている。現地のデイリー ...

昨年から、国境警備の強化要員として中国との国境地帯に派遣されている朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の特殊部隊「暴風軍団」(第11軍団)。今までも様々なトラブルを引き起こし、地域住民から疎んじられる存在となっていたが、今度は内部で殺人事件が発生した。 咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋によると、年明け早々、暴風軍団の現地指揮部所属の大隊長連絡兵を務める中級兵士(一等兵に相当)が、大隊長と軍医を射殺する事件を起こした。 この連絡兵は今月3日、通常の勤務が終わった後、大隊長 ...

韓国南西部・光州で11日、建設中のマンション高層部の外壁が崩れ落ちて1人が死亡、5人が行方不明となる事故が起きた。行方不明者は今なお捜索中だ。光州では昨年6月、再開発のため解体工事中のビルが倒壊し、市内バスが下敷きになって乗客9人が死亡する事故も起きた。 韓国ではこうした深刻な事故が繰り返し起きており、「安全不感症」は韓国国民自身が深く懸念している問題だ。 一方、北朝鮮でも2014年5月、平壌の平川(ピョンチョン)区域で大規模なマンション崩壊事故が起きた。その背景や現場の出来 ...

北朝鮮の教化所(刑務所)は暴力が蔓延し、衛生状態や栄養状態も極めて悪く、受刑中に命を落とす人が少なくない。 受刑者は、家族からの食べ物の差し入れを受け取り、辛うじて延命している。しかし、コロナ禍で国内移動の制限がいっそう厳しくなっている今では、それも難しく、多くの受刑者が飢餓に苦しんでいることは想像に難くない。 そんな彼らに驚きのニュースが飛び込んできた。 (参考記事:若い女性を「ニオイ拷問」で死なせる北朝鮮刑務所の実態) デイリーNK内部情報筋によると、2月16日(光明星節 ...

北朝鮮メディアは今月1日、朝鮮人民軍陸軍第5軍団長だった李太燮(リ・テソプ)氏が、社会安全相に任命されたことを明らかにした。社会安全相は、日本の警察庁長官に相当する。 このポストには昨年9月、張正男(チャン・ジョンナム)元人民武力部長が就任したばかりだった。治安を預かる重要ポストが、たった4カ月で交代した背景には何があったのか。 北朝鮮のデイリーNK内部情報筋が伝えたところでは、発端は平安北道(ピョンアンブクト)の大館(テグァン)郡にある、軍需工場の爆発事故だった。情報筋は、 ...

北朝鮮当局は金正恩総書記の厳命を受け、韓流視聴、違法携帯電話の使用など反社会主義、非社会主義行為の集中的な取り締まりを、中国との国境に接した地域を中心に1年以上続けている。その結果、犯罪者が量産される状況となっている。 咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋によると今月6日、咸鏡北道検察所で、平壌の中央検察所(最高検察庁)からやってきたイルクン(幹部)2人、道、市、郡の検察所、安全部(警察署)、保衛部(秘密警察)のイルクンが集まり、会議が行われた。 その場で明ら ...

北朝鮮のデイリーNK内部情報筋によれば、国家保衛省(秘密警察)の要員は昨年12月8日午後11時ごろ、40代女性のキムさんを違法な携帯電話の使用と外貨流通容疑で、両江道(リャンガンド)恵山(ヘサン)市内の自宅で緊急逮捕した。 同省は12月初めから、「中国の携帯電話使用者を庇護し、国家機密を敵どもに売り渡す者どもを徹底捜査、割り出して処罰する」として、両江道で集中検閲を行っていたという。 彼女は、恵山では知らぬ者がいないほど大物の闇両替商で、昨年1月のコロナ鎖国で中国との貿易が途 ...

極超音速ミサイルの試射を連続して行うなど、新年早々、軍事力の誇示を派手に行っている金正恩総書記。その一方で、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の内部では深刻な腐敗が進行している。 平安北道(ピョンアンブクト)のデイリーNK内部情報筋は、最近全容があきらかになった「燃料大量横領事件」について詳しく伝えている。 国家財産の横領、窃盗、横流しの類は、かつて旧共産圏諸国では頻繁に行われ、北朝鮮では1990年代後半の大飢饉「苦難の行軍」のころから深刻化した。当時、最高指導者だった金正日総書記は、見 ...

北朝鮮の金正恩総書記は11日、国防科学院が行った極超音速ミサイルの試射を視察した。北朝鮮が極超音速ミサイルの試射を行ったのは、昨年9月と今月5日に続き3回目。朝鮮中央通信は今回が「最終試射」であるとしており、今後、実戦配備に向け生産段階に進む可能性がある。 金正恩氏がミサイル発射を現地視察したのは、「戦術誘導兵器の試験射撃」を視察(2020年3月21日)して以来661日ぶりだ。この間、視察は部門責任者に任せていたが、今回改めて現場に出てきたのは、極超音速ミサイルの発射実験が「 ...

北朝鮮にあまたある工場、企業所の中で最も重要視されているのは軍需工場だ。その労働者も、他の職場では得られない食糧配給も得られるなど、非常に優遇されている。そんな軍需工場で、くず鉄をネコババする事件が起きた。平安北道(ピョンアンブクト)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。 事件が起きたのは、中国との国境に接する朔州(サクチュ)郡の水豊(スプン)労働者区にある76号工場だ。自動小銃や高射銃、銃弾などを生産している工場だが、そこで働く労働者が製造過程で多く出るくず鉄をネコババしていた ...

1400キロに及ぶ北朝鮮と中国、ロシアとの国境の警備を担当しているのは、国境警備隊だ。しかし、昨年から朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の特殊部隊「暴風軍団」(第11軍団)が、国境警備の強化要員として派遣されている。 新型コロナウイルスの流入防止策として金正恩総書記が厳命した、国境封鎖を徹底するためだ。 国境警備隊は地元とのしがらみから密輸、脱北を効果的に取り締まりができないばかりか、それらに積極的に幇助、加担してさえいる。そこで、地元と縁のない特殊部隊に白羽の矢が立ったというわけだ。 ...

米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によれば、北朝鮮は5日に行った極超音速ミサイル試射の「成功」を、政治学習を通じて国民に強調しているという。しかし国民の反応はと言えば、かなり冷め切ったもののようだ。 咸鏡北道(ハムギョンブクト)茂山(ムサン)郡のある幹部はRFAに対し、次のように証言している。 「昨日(7日)、郡内の各機関、企業所別に党員の学習会が開催された。通常、学習会は土曜日に行われるのだが、今回は金曜日の午前に召集され、1時間ほど行われた。今回の学習会は中央党( ...

北朝鮮で、大学教授や大学当局、大学の朝鮮労働党委員会幹部など「学内の権力」によって学生らの人権が蹂躙される事件が後を絶たない。 昨年4月には、黄海北道(ファンヘブクト)にある沙里院(サリウォン)工業大学で、党書記の地位にあった50代の男性が、40人もの女子学生に権力型性犯罪を働いていたことが暴露された。 また前年には、首都・平壌の総合レジャー施設で組織的な売春を行っていたグループが摘発され、一味に平壌音楽舞踊大学や平壌演劇映画大学の教授らが加担していたことがわかった。事件に巻 ...