「男たちは私を拷問し、ペンチで無理やり歯を抜いた」脱北女性が証言
地盤の柔らかい場所を調べ、管理所を囲む鉄条網の下に少しずつ穴を掘り進め、はじめて外の世界に出たのだった。
外の世界での唯一の当ては、母が以前教えてくれた親類の名前だ。200キロ以上離れた清津(チョンジン)市まで名前だけを知る親戚に会いに、数日かけて歩いていった。脱出は母にさえ知らせなかった。
紆余曲折はあったが、無事に親戚に会うことができ、歓待された。栄養不足で悪かった顔色もみるみるうちに良くなり、穴の開いた靴、ツギハギだらけの服もすべて新しいモノに変わった。
しかしあまり長居することはできず、「それまで見たこともなかった、きれいな服や食料品」など大量の贈り物をたずさえ、40日ぶりに18号収容所に戻ってきた。
だが、そんなパクさんを待っていたのは、非情な仕打ちだった。