30代男性にガソリンをかぶらせた北朝鮮の「貧困と絶望」

事件が起きたのは先月2日。現地の内部情報筋によると、両江道(リャンガンド)金正淑(キムジョンスク)郡の上台里(サンデリ)の家から突如として火の手が上がった。この家に住んでいた30代男性が体にガソリンをふりかけて火を付け焼身自殺を図ったのだ。

男性は死亡したが、その妻と息子は、近隣に住んでいた実の父親に助け出され、一命はとりとめた。貧困に苦しめられた末の焼身自殺だった。

平安道(ピョンアンド)出身の男性は、兵役でこの地の国境警備隊に勤務していた。除隊後に、地元の労農赤衛隊(民兵組織)の隊長の娘と結婚し、故郷に戻っていった。