「私たちは性的なおもちゃ」被害女性たちの血のにじむ証言…報告書「理由もなく涙が出る」を読む

「娘はあのときのトラウマが残っていて、オートバイの音が聞こえるだけで怖がります。北朝鮮の保安員はオートバイに乗ってやって来るからです。私が逮捕された日も、保安員がオートバイに乗ってやって来ました。娘を落ち着かせるために、保安署(警察署)に出頭すると言いました。あの日以来、娘はオートバイの音が聞こえると『お母さん!保安員が来た!隠れて!』と言います」

「今になって考えると…彼らは制服を着て気の向くままに法を振りかざす人々でした。女性を性のおもちゃのように扱ってはダメです。北朝鮮にも『性的暴行』という言葉はありますが、私がされたことがそうだとは思いませんでした。ここ(韓国)に来てようやく性的暴行に当たるのだということを知りました。自分だけがあんな目に遭ったわけではなく、収監された女性は皆同じだと思いました」

ユンさんが自らの被害について話すのは今回が初めてだ。それは過去の経験から「話してはならない」と自分に言い聞かせていたからだ。