政治犯収容所などでの拷問・性的暴行・公開処刑の恐怖

(v)性的暴行と強制堕胎

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女性収容者は増加している。中国に逃亡して送還させられた者の多くが女性だからである。男女の収容者は国際基準に従って隔離されるのが通常である。しかし、女性収容者に男性看守がつくことも少なくない。看守と収容者の性的接触を刑務所当局は認めていないが、看守と収容者の立場の違いから看守が収容者の暴行および性的暴行を行っても罰せられないことが多い。性的暴行の例としては、看守が刑務所の高圧的環境を利用して、食料その他の収容者が通常刑務所で生存のために必要とするものと引き換えに性的交渉を要求することがある。北朝鮮刑務所での性的暴行件数を把握することは困難である。犠牲者の多くが性的暴行されたことを社会への恥ととらえて明らかにしようとしないからである。

  • キム・ヒョク氏は第12教化所で病院長が女性を性的暴行するのを見た。また、看守が女性を性的暴行しているのも見た。
  • 同じ刑務所の元女性収容者によれば、看守は女性収容者の中でも美人を格子のそばに座らせ、胸をまさぐった。同じ証人によれば、看守と性的交渉を持つことを承諾した数人の女性たちは食べ物を多く与えられその他、生き延びる上での利点を得た。

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