政治犯収容所などでの拷問・性的暴行・公開処刑の恐怖

➢ 722
一方、中程度の政治事件には司法手続が取られることが通常である。このような事件は国家安全保衛部の取調部署が国家安全保衛部検察局に送致し、起訴および裁判の準備を行う。政治犯罪の重大性により、国家安全保衛部検察官は死刑、通常の政治犯収容所での懲役、短期の強制労働収用所を求める。

➢ 723
被疑者の政治犯罪が軽微であるあるいは非政治犯罪であると国家安全保衛部が判断したときには、人民保安省による取調に送致する。

➢ 724
人民保安省が事件を取り扱う場合、経験上、逆のルールが適用される。事件が重大であるほど司法手続に付され、軽微事件には裁判所が使用されことが少なくない。

➢ 725
司法手続による場合、人民保安省検察局と協力する。検察局が懲役を求刑し、あるいは政治的に重要でありそれが適当と判断した場合には死刑を求刑する。

➢ 726
比較的軽微な事件の場合、人民保安省は被疑者を短期強制労働収容所に送り、懲役および強制労働に従事させる。その期間は数ヶ月から2年である。場合によっては、SSDの国レベルの機関も、比較的軽微な事件にじては被疑者にじて同様の取扱を行う。

➢ 727
これらの司法手続を経ていない「刑」はICCPR第14条が定める法律に基づく権限があり、独立性があり、公平な裁判所の公正かつ公開の裁判を受ける被疑者の権利を侵害している。また、北朝鮮の法律、特に、行政刑罰として無報酬労働は認めているものの懲役は認めていない強制罰法にも適合しないと考えられる。かかる司法外の刑罰は刑法第252条が定める刑事犯罪にも該当する。しかし、保安担当官が刑法第252条に違反して司法機関の処罰権を違法に侵害したとして有罪となった証拠を調査委員会は1件も文書化できなかった。

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