北朝鮮の故金正日総書記は1980年代、「白桔梗(ペクトラジ)事業」の名の下にアヘン栽培を始めた。また、覚せい剤の製造にも手を染め、輸出して多額の外貨を稼ぎ出したのだが、それが横流しを通じて国内でも流通。 さらに、不足する医薬品の代用品として使われたりするなどして、中毒者が急増した。いつしか北朝鮮は、ジャンキーの国に転落してしまった。 (参考記事:コンドーム着用はゼロ…「売春」と「薬物」で破滅する北朝鮮の女性たち) 2013年に刑法を改正し、「不法アヘン栽培・麻薬製造罪」を新設 ...

韓国の捜査当局は今月3日、北朝鮮の指令を受けてステルス戦闘機の配備に反対する運動を繰り広げたとして、市民団体出身の活動家3人を国家保安法違反の容疑で拘束。逮捕令状が交付されなかった他の1人と合わせ、活動実態に関する捜査を進めている。 韓国紙・朝鮮日報の報道によれば、捜査当局が家宅捜索で押収したUSBメモリーからは、 「(活動資金の)2万ドルを無事に受領した」と北朝鮮側に報告する内容の文書ファイルや、「米軍F35A戦闘機導入に反対する市民運動を展開せよ」という趣旨の指令文などが ...

中国との国境に接する北朝鮮・咸鏡北道(ハムギョンブクト)の茂山(ムサン)は、国内有数の鉄鉱石鉱山を擁することで知られている。 その茂山で先月中旬、鉱山で使う爆薬を製造する工場の支配人が逮捕された。これに対して、地域住民からは疑問の声が上がっていると、咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。 茂山郡安全部(警察署)に逮捕されたのは、茂山鉱山の「3.23工場」の支配人を務める50代のパク氏だ。容疑は過去数年にわたり、約4トンのディーゼル油を売り払い、私腹を肥 ...

今に至るまで国内における新型コロナウイルスの感染者の発生を公式に認めていない北朝鮮だが、感染が疑われる患者の隔離には非常に熱心だ。 背景には、医療・防疫体制が整っていないことから、国内で拡散した場合に対応できず、体制をも揺るがしかねないという危機感がある。しかしそれにしても、隔離病棟に入れられた人へのケアには無関心なようだ。 そんな中、コロナ感染の疑いで隔離された朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の兵士2人が、誰からも看取られることなく、亡くなっていたことが判明したと、デイリーNKの平安 ...

実力行使と「抑圧テクノロジー」を駆使して、国民の不満を抑え込んでいる中国。台湾の『天下雑誌』は2018年、中国の公安部(警察庁)が発表した数字として、2005年の1年間に、前年より16%も増えた8万7000件もの抗議活動、労働争議などが起きていたと伝えている。 現在の発生件数は未公表だが、抗議活動、社会活動が活発だった胡錦濤政権時代と比べ、減少しているものと思われる。 為政者の立場からすると、世論を「アンダーコントロール」に置いている現在の中国。その手口を学ぼうと、北朝鮮が乗 ...

北朝鮮の社会安全省(警察庁)は昨年8月、新型コロナウイルスの国内流入を極度に恐れる金正恩総書記の指示に基づき、国境と接する緩衝地帯に無許可で近づく者には、無差別に銃撃を加えるとの布告を出した。 それ以降、国境付近で射殺される人が相次いでいる。そしてまた、尊い人命が失われてしまった。両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋が伝えた事件の概要はこうだ。 (参考記事:北朝鮮兵は弾倉が空になるまで撃ち続けた…射殺された「ある恋人たち」の悲劇) 事件が起きたのは今月18日。両江道 ...

韓国の公共放送KBSは昨年8月、韓国国民1000人を対象に、南北統一に関する世論調査を行った。統一の必要性を問う質問に対し、「大きな負担さえなければ統一するのが良い」が44.2%で最も多く、次いで「相当期間現在の共存状態を維持すべきだ」が24.3%、「統一されないほうが良い」が16.2%で、「必ず統一されなければならない」は15.4%で最も少なかった。 統一に肯定的な人は2018年の66.0%から2020年には59.6%まで減少。年代別で見ると、最も多い50代では64.7%で ...

北朝鮮の金正恩総書記が、今年1月の朝鮮労働党第8回大会で提示した「国家経済発展5カ年計画」。その達成に欠かせない労働力を確保するとして、北朝鮮当局は兵士の兵役を短縮して集団で送り込む「集団配置」を行ったり、都市部に住む若者に「嘆願」の形で半ば強制的に農村、炭鉱に送り込んでいる。日本で言うところの「Iターン」のようなものではなく、島流しそのものだ。 デイリーNKの内部情報筋によると、中央の指示に基づき、平安南道(ピョンアンナムド)の平城(ピョンソン)市で農村進出者選抜事業が行わ ...

北朝鮮には現在、確認されたものだけで8つの管理所(政治犯収容所)が存在する。 平安南道(ピョンアンナムド)价川(ケチョン)の14号と17号管理所、収監者が核実験場関連の労働に従事させられていたと伝えられている咸鏡北道(ハムギョンブクト)化城(ファソン)の16号管理所に加え、最近新設されたと伝えられる黄海北道(ファンヘブクト)の平山(ピョンサン)管理所、首都・平壌郊外の勝湖里(スンホリ)管理所などがある。 (参考記事:核実験場に消えた政治犯たち…金正恩氏「被ばく強制労働」隠ぺい ...

かつての日本の天皇がそうだったように、北朝鮮の最高指導者は「神聖にして侵すべからず」の存在だ。たとえ故意ではなかったとしても、その権威に泥を塗る行為をしてしまった者には、過酷な罰が待ち構えている。その命令に歯向かうなど、もってのほかだ。 (参考記事:金正恩氏の「高級ベンツ」を追い越した北朝鮮軍人の悲惨な末路) さて、極度の食糧難に襲われている北朝鮮だが、金正恩総書記は、6月の朝鮮労働党中央委員会第8期第3回総会で、軍糧米の放出、配給を行うよう特別命令書を出したと伝えられている ...

北朝鮮の金正恩総書記は29日、第7回全国老兵大会の参加者らとともに記念写真を撮影した。朝鮮中央通信が伝えた。 同通信の報道全文は次のとおり。 金正恩総書記が第7回全国老兵大会参加者と共に記念写真を撮る 【平壌7月30日発朝鮮中央通信】朝鮮労働党総書記で朝鮮民主主義人民共和国国務委員長である敬愛する金正恩同志が7月29日、第7回全国老兵大会参加者に会って彼らと共に記念写真を撮った。 敬愛する金正恩総書記の出席の下に盛大に行われた全国老兵大会で烈火の情と信頼に満ちた祝賀演説に接し ...

ワック(輸入取扱い枠)の申請を受け付けるなどの動きはあったものの、本格的な再開には至っていない中朝貿易。「もう待ちきれない」としびれを切らした一部貿易会社が、当局の許可なく貿易を再開している。 ところが、社会安全省(警察庁)傘下の貿易会社が、コメと医薬品を輸入したところ、密輸扱いにされ摘発された。社長には無期懲役の判決が下されるものと見られている。 (参考記事:北朝鮮警察系の貿易会社社長、コメと医薬品の密輸で無期懲役) 一方、デイリーNK内部情報筋によると、先月から朝鮮労働党 ...

北朝鮮は4月、体育省が運営するウェブサイトを通じ、「悪性ウイルス感染症(新型コロナウイルス)による世界的な保健危機状況から選手たちを保護するため」として、東京五輪・パラリンピックへの不参加を表明した。国際オリンピック委員会加盟国としては、唯一の不参加だ。 また、五輪開幕後の25日には対外宣伝メディアの「黎明」が、日本政府が東京五輪を「帝国主義の復活に利用している」と非難する談話を公開。多難な中でも各国の代表が久しぶりに集った祭典から、ひとり距離を置いている。 しかし国民はと言 ...

1990年代後半の北朝鮮を襲い、数十万人が餓死に至らしめたとも言われる大飢饉「苦難の行軍」。その後、市場経済化の進展などで食糧事情は徐々に改善し、食うや食わずの状態は完全に脱していたが、国際社会の制裁や、昨年1月からのコロナ鎖国で事態は再び悪化。金正恩総書記は、食糧不足を公式に認めると同時に、軍糧米の放出、配給を行うよう特別命令書を出したと伝えられている。 (参考記事:「配給にカネ払えとはどういうことだ」金正恩命令に国民から批判) 食糧難の根底にあるのは、国内の穀物需要すら満 ...

北朝鮮と韓国は27日、昨年6月から断絶していた南北間の通信連絡線を、同日午前10時から再稼働させると発表。同時刻に板門店と西海地区の軍通信線で通話を行った。南北共同連絡事務所と東海地区の軍通信線は、技術的な問題から再開が遅れたが、順次再稼働するという。 北朝鮮は昨年6月9日、韓国の脱北者団体による対北ビラ散布に反発し、南北間のすべての通信連絡線を一方的に遮断。同月16日には開城工業団地内に置かれていた南北共同連絡事務所を爆破した。韓国側は現在、ソウルで共同事務所の業務を行って ...

昨年1月からのコロナ鎖国で、極度の食糧難に陥っている北朝鮮。 金正恩総書記の特別命令で、軍糧米を民間人に有償配給する事態となっているが、糧が少なく「焼け石に水」といった状況だ。そんな中で治安が極度に悪化、覆面の武装集団が金持ちの家を襲撃していると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。 (参考記事:「鳥のエサを食えと言うのか」金正恩の特別配給に庶民の不満爆発) 咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋によると、コロナ鎖国の経済的困窮で強盗事件が多発し、少しでもカネが ...