北朝鮮の国家保衛省(秘密警察)は先月末、全国の幹部を集めた会議で、国境地域でトラブルを起こした者は無条件で重罰に処すとの方針を示した。 このトラブルとは密輸、人身売買、脱北などすべての違法行為を指すが、これらすべてを反国家犯罪とみなすというものだ。幹部と言えども例外扱いにはならず「幹部の家族のうち、権力を笠に着て中国キャリアの携帯電話を使って密輸、カネの移管(送金)、人身売買などの犯罪行為を露骨に行う者から葬らなければならない」(保衛局長)という厳しさだ。さらにはこんな通知も ...

この6月、脱北者団体が散布してきた対北ビラを巡って韓国への強硬策を主導し、北朝鮮の「女帝」とまで呼ばれるようになった金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党第1副部長。 すべては兄・金正恩党委員長とともに書いたシナリオである可能性が高いが、彼女がここ1カ月足らずの間に世界に与えたインパクトは余りにも強烈である。 そして、どうやらそれは北朝鮮においても同じであるようだ。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は最近、平壌在住のある幹部による次のような証言を伝えている。 「暴露ビラ」 ...

北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は20日、1面に平壌総合病院の建設が急ピッチで進んでいるとの記事を掲載し、次のように伝えた。 「入院病棟5−2号棟と外来病棟の2、3、4区域の骨組みの工事を終えた軍人建設者たちは、外部美観作業課題の80%罫線を突破し、8建設局の建設者も任された対象の骨組み工事の仕上げ段階で進めている」 着工式で「人民の大切な健康と安全をよりしっかり守ることのできる今一つの貴重な財産」だと、金正恩党委員長がその意義を強調した平壌総合病院の建設計画だが、現場では ...

北朝鮮北部、両江道(リャンガンド)の恵山(ヘサン)の市民の間では最近、「白頭の血統家系図」なるものが拡散している。 「白頭の血統」とは金正恩党委員長につながる金氏一族のことを指すが、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)の現地の情報筋は、その家系図の内容を次のように説明した。 「金日成主席と金正日総書記には複数の夫人がいて、金正恩氏は金正日氏の正妻ではなく妾との間で生まれた3番目の息子で、事実上『白頭の血統』とは程遠い」 この「妾」とは、大阪出身で1962年に北朝鮮に帰国 ...

台湾は2018年をもって、長年続けられてきた徴兵制度を廃止した。1994年生まれ以降の男性は、4ヶ月の軍事訓練を受ける義務は残るものの、軍隊に行く必要はなくなった。また、韓国では徴兵制度が存続しているものの、その期間が段階的に短縮されている。宗教上の理由による兵役拒否も認められ、タブーとされていた徴兵制度の存廃についても社会的な議論がなされるようになっている。 このような兵役の撤廃、縮小の流れとは真逆の方向に動いているのは北朝鮮だ。男性には10年の兵役が課されているが、今まで ...

北朝鮮当局は、首都・平壌の市民に対する食糧配給が今年3月を最後に止まってしまったことを重く見て、様々な対策に乗り出している。最も優遇されている平壌市民ですらこの有様ということは、地方の状況は推して知るべしだろう。 (参考記事:金正恩が焦る平壌の食糧難…解決策は「市民追放」) 一般住民のみならず、平壌市党(朝鮮労働党平壌市委員会)、市内にある政府機関に勤める幹部に対する食糧配給も、3ヶ月前から途絶えていると、米政府系ラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じている。 平壌の情報筋に ...

「親愛なる指導者、金正日同志は1942年2月16日に白頭山密営でお生まれになった」 これが、北朝鮮の定めた金正日総書記の公式の生い立ちだ。しかし、これは「白頭の血統」の正統性を高めるため、後に創作されたものと言われている。 金正日氏の出生については様々な説があるが、生まれたのは1941年2月16日で、場所は旧ソ連(現ロシア)のハバロフスク近郊のビャーツコエ、ウラジオストクとウスリースクの中間にあるラズドリノエ、ウラジオストク郊外のオケアンスカヤなどと言われている。ちなみにオケ ...

韓国消防庁の資料によると、同国では2019年の時点で、全国219の消防署で、5万6647人が消防士、救急隊員として勤務している。その数は、年間1700人のペースで2022年まで増員が続く。 一方の北朝鮮では、消防署の数は120、人員は消防士が3000〜4000人程度だ。人口は韓国の約半分だが、それを考えても非常に少ない。その穴を埋めるのは大規模な企業所が独自に設置した産業消防隊と、村ごとに設置された群衆自衛消防隊――日本で言うところの消防団だが、人員や装備の不足で、火災に対応 ...

韓国の脱北者団体が金正恩体制を非難するビラを北へ向けて飛ばし、韓国政府がこれを容認してきたことに対し、北朝鮮当局は南北共同連絡事務所を爆破するなど強硬な姿勢を示している。 しかしそのせいで、韓国からの「対北ビラ」について何も知らなかった北朝鮮国民までもが「いったい何が書いてあるんだ!?」と興味津々になっていると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じている。 きっかけは今月、朝鮮労働党機関紙の労働新聞にデカデカと掲載された、金正恩党委員長の妹・金与正(キム・ヨジョン ...

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の妹・金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長が激しく非難した、韓国在住の脱北者が自国に向けて飛ばした、金正恩党委員長を非難するビラ。 実はこのビラ、あまり遠くまで飛んでいないとの主張が以前からある。 2014年に当時の与党・セヌリ党(現未来統合党)の議員、北朝鮮人権運動を行ってきた河泰慶(ハ・テギョン)氏は、脱北者団体の自由北韓運動連合が風船に入れて飛ばしたビラの半分以上が韓国国内で拾われたと述べ、「(同団体は)北朝鮮まで飛ばないことを知りながら撒 ...

北朝鮮は16日午後、2018年に行われた南北首脳会談後に建てられた南北交流の象徴とも言うべき、南北共同連絡事務所を爆破した。 それに前後して、北朝鮮各地では脱北者を糾弾する大会や学習会などが開かれているが、同時に国営メディアも、大々的な反脱北者、反韓国キャンペーンを繰り広げられている。 (参考記事:北朝鮮国民は「脱北者非難」に同調せず…国内引き締めが逆効果) 北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は18日、「裏切り者どもには無慈悲な懲罰のみが下されるだろう」というタイトルで、16 ...

北朝鮮には「革命化」という処分がある。処分とは言っても、刑法に明記された刑罰ではない。 何らかの過ちを犯した幹部の職責を解き、地方の協同農場や炭鉱に送り込み、辛い肉体労働をさせることで、朝鮮労働党や首領(金正恩党委員長)に対する忠誠心を高めるという一種の思想教育だ。 (参考記事:側近「激ヤセ写真」に見る金正恩式「再教育」の恐怖) この革命化は、トップクラスの幹部に対しても下される。例えば、現在は最高人民会議常任委員長のポストにある崔龍海(チェ・リョンヘ)氏は2015年、咸鏡南 ...

韓国青瓦台(大統領府)の尹道漢(ユン・ドハン)国民疎通首席秘書官は17日の会見で、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の妹・金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長が発表した談話について、「趣旨をまったく理解できないし、ひどく無礼な語調でけなしたのは非常識な行為だ」と強く批判。また、「これまで南北首脳間で築いてきた信頼を根本から損なうもので、北側のこうした分別をわきまえない言動をわれわれとしては辛抱しないということを明確に警告する」と述べた。 北朝鮮から相当なことを言われても、北への「 ...

北朝鮮が、金正恩体制を非難するビラを北に向けて散布した韓国の脱北者団体と、それを許容した文在寅政権への強硬姿勢を強める中、北朝鮮各地では国民に脱北者への憎悪を植え付けるための講演会が開かれている。 両江道(リャンガンド)の現地情報筋が韓国デイリーNKに伝えたところでは、「当局から派遣されてきた講師は何人かの(脱北者の)個人名まで挙げながら『人民の名において必ずや処断(処刑)する』などと、驚くべきことを言っていた」という。 また情報筋によると、「こうした発言を聞いた住民たちの間 ...

北朝鮮は16日午後、開城工業団地内にある南北共同連絡事務所を爆破したもようだ。 韓国メディアが韓国軍消息筋などを引用して伝えたところによると、開城工業団地で同日午後2時49分頃、爆音が鳴り響くとともに煙が上がっていることが確認されたという。 北朝鮮は最近、金正恩体制を非難するビラを北に向けて散布した韓国の脱北者団体と、それを許容した文在寅政権を激しく非難。 金正恩朝鮮労働党委員長の妹・金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長は13日の談話で、ビラ散布への報復として南北共同連絡事務 ...

新型コロナウイルスが猛威を振るった今年、インターネットで視聴する動画配信サービスの加入者が増えていると伝えられている。それらをまとめて管理するアップル社のApple TV、AmazonのFire TVも人気だが、利用するのに必要なのはセットトップボックスと呼ばれる機械だ。 同様のサービスが、北朝鮮にも存在する。 2016年8月16日の国営朝鮮中央テレビは、マンバン情報技術普及所が開発した「ネットテレビ多媒体閲覧機・マンバン」という動画配信サービスを紹介した。 北朝鮮国内だけで ...