北朝鮮軍が「長期的な弱体化」を宿命付けられた決定的な理由

また、北朝鮮軍が人員確保しているのは、人口減少のためだけではない。前述したとおり、兵役忌避の風潮も少なからず影響しているはずなのだ。

その原因は、物資の横流しによる軍隊内での飢餓や、女性兵士に対する性的虐待の横行にある。(参考記事:北朝鮮女性を苦しめる「マダラス」と呼ばれる性上納行為

さらにレポートは、韓国統計庁による北朝鮮の長期人口推計資料をベースに、正規軍の規模は2031年に87万1千人まで減少すると分析。ただ、「兵営国家」である北朝鮮が兵力減少を黙って見過ごすはずもないので、徴集率を高めたり、女性兵士の割合を拡大したりするだろうと予想している。

ただ、そのような試みは、若い労働人口を生産部門から奪い、経済成長率の低下を招くとも指摘している。いずれにせよ、「兵営国家」としての北朝鮮は、弱体化の運命を免れないのかもしれない。