北朝鮮の市場に異変「商人の数が激減している」

情報筋は「トウモロコシは値段を上げても買う人がいないため、安くするしかない」と伝えた。ガソリンの値段が安定しているのも、工場が稼働しておらず、需要が減ったからだ。ただ、値段を据え置いても一向に売れない。

このような現象について、韓国のIBK北朝鮮経済研究所のチョ・ボンヒョン所長は、当局の積極的な市場への介入も影響を及ぼしていると見ている。

「物価変動がさほど起きていないのは、市場で流通する物量が減ったためと思われる。北朝鮮当局が市場を統制し、制約をかけていることも一因だろう」

平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋は、各道の人民委員会(道庁)の糧政部や経営委員会は、不足している商品は手段を選ばず供給せよとの指示を下し、公式・非公式の貿易を通じて入手し、市場に流している。その結果が、物価安定として現れているというのだ。

(参考記事:北朝鮮国民が「国がなぜ人民にコメを売りつけるのか」と怒るワケ