「金正恩は最初に何人か処刑する」独特の統治ノウハウの落とし穴

こうした例で有名なのが、2015年のスッポン養殖工場支配人の処刑だ。同年8月、この工場を視察した金正恩氏は管理不備に激怒。支配人を銃殺させ、自分の激怒場面の動画を公開したのだ。

(参考記事:【動画】金正恩氏、スッポン工場で「処刑前」の現地指導

これを見た各部門の現場担当者たちは、さぞや肝を冷やしたことだろう。前述した花壇の件も、スッポン養殖工場の件も、担当者たちの行動の背景にはまず間違いなく、国家の経済難と、上からの無茶な指示がある。どうやっても守りようのない指示を守ったように見せるためには、何らかの「裏の手」を使うしかない。それを「インチキだ」と責められて処刑されては、生きる道が絶たれてしまう。