美女2人は「ある物」を盗み公開処刑でズタズタにされた

「最も記憶に残るのは96年、新義州(シニジュ)の飛行場近くにある公開処刑場で行われた除隊軍人の男女5人の公開銃殺だった。女性2人は20代後半の美人だった。男たちと一緒に電線を切って中国に売り飛ばして逮捕された。若い女性が杭に縛られ、銃で撃たれて死ぬ姿を見るのはものすごく気分が悪かった。電線を切ったのは大きな罪ではあるが、あのように殺す必要があるのかと感じた」
(参考記事:機関銃でズタズタに…金正日氏に「口封じ」で殺された美人女優の悲劇

キムさんは公開処刑という行為に対して疑問を感じると同時に、電線の窃盗が「大きな罪」であるとの認識を語っている。社会の窮乏が行くところまで行くと、罪科の軽重や人の生命に対する感覚に、重大な影響が及ぶということなのだろうか。(参考記事:「死刑囚は体が半分なくなった」北朝鮮、公開処刑の生々しい実態

恐怖政治、再び(2)「報復殺人」で警察官70人死亡…秩序崩壊に向かう北朝鮮社会

北朝鮮当局が、ひところ手控えていた公開処刑を再開している。背景として気になるのは、国際社会からの制裁によって深刻化している経済難だ。

北朝鮮の社会主義経済システムが崩壊した1990年代の大飢饉「苦難の行軍」の時代、北朝鮮社会は経済難により秩序が悪化。当局はこれを恐怖で抑止すべく極刑で臨み、窃盗犯なども次々に銃殺した。

(参考記事:「死刑囚は体が半分なくなった」北朝鮮、公開処刑の生々しい実態

では、最近の北朝鮮はどうか。内部の情報筋からは、やはり治安の悪化が伝えられている。