「眠っているうちに」死者数万人、北朝鮮庶民が震える「冬の夜の恐怖」
こうした事態を受け、当局は一酸化炭素中毒の防止対策に乗り出した。
平安北道(ピョンアンブクト)の新義州(シニジュ)など一部地域では、人民班(町内会)に指示して、午前0時から2時、5時から6時までの2回に分けて家々を訪ね、一酸化炭素中毒になっていないか確認する「ガス警備」を行わせている。それも、台帳に点検状況を記録し、洞事務所(末端の行政機関)の捺印を受けさせるほどの念の入れようだ。このようなパトロールは、「強制的な換気」という意味合いもあるものと思われる。
一方の恵山では、このようなパトロールは行われていない。保安署は、三池淵建設の影響で増加している民泊を取り締まる方針を示している。しかし、恵山は交通の要衝でありながら、手頃な値段の宿泊施設が存在しないため民泊に頼らざるを得ず、取り締まりによって根絶やしにするのは難しい。ちなみに取り締まりは、民泊が売春の温床となっていることとも関係していると思われる。
(参考記事:男女密会に殺人事件も…北朝鮮版「民泊」のアブナイ実態)北朝鮮と国境を接する中国東北でも暖房に石炭を使うことが多く、一酸化炭素中毒が多発している。