朝鮮民主主義人民共和国における人権に関する国連調査委員会の報告(本文)

92 調査委員会は、文化、科学、スポーツ、グッドガバナンス、経済発展などの分野で、各国、及び市民団体が人と人との対話と交流を深める機会を提供するよう勧告する。

このことが北朝鮮市民に、情報の交換と、外の世界を知る機会を提供するのである。

北朝鮮及び他の各国は、人と人との交流を阻む障がいを取り除くべきである。これには、国際人権法の定める関連義務を無視した、旅行や人との接触を処罰する措置を取り除くことが含まれる。

93 また、調査委員会は、北朝鮮の人権状況を改善するため、各国、財団及び関連企業が、人権侵害の記録や、それぞれの国内の情報を放送するなど、市民団体の活動の支援を強化することも勧告する。最終的には、該当する状況とみなされれば、そのような財団や企業は、国家の発展、国民生活の創造、人権状況の前進に向けた計画を一貫して推進する取り組みを行う中で、関係政府の力となるべきである。

94 国際社会及び国連に関しては、調査委員会は以下のとおり勧告する。

(a) 安全保障理事会は、国際刑事裁判所がその司法管轄に従って手続きをとるよう、北朝鮮の事態を同裁判所に付託すべきである。また、安全保障理事会は、人道に対する罪の首謀者とされる者に対象を絞った、制裁を承認すべきである。一般国民の社会状況、経済状況が苦境に瀕していることに鑑み、調査委員会は、北朝鮮国民、あるいは北朝鮮経済全体を標的とした安全保障理事会が課す制裁や2国間の制裁を支持しない。