朝鮮民主主義人民共和国における人権に関する国連調査委員会の報告(本文)

(d) 被害者に当該国内にとどまる権利の提供、法的保護、基本的サービスへのアクセス提供を含め、自国民に提供するものと同等の医療的処置、教育機会、雇用機会など、被害者中心、人権重視のアプローチを採ること。

(e) 中国国民と結婚し、子どもをもうけている脱北者の地位を法で保護すること。こうして生まれた子どもが、出生登録、可能な場合は中国国籍を得て、差別なく教育及び福祉の権利を得られるよう確保すること。

(f) 北朝鮮当局員が、中国国土からさらなる拉致を実行できないよう、即時の対策を講じること。逮捕された拉致加害者を起訴し、適切に処罰すること。また、法に則った裁判が行われるよう、当該命令を発した者の引き渡しを求めること。中国は、北朝鮮の最高指導者、他のハイレベル当局者に対し、拉致問題、中国国籍の権利を有する子どもの殺害、送還女性に対する強制堕胎、中国からの送還者を標的とした他の人権侵害の問題を提起すべきである。

91 調査委員会は、朝鮮人民が南北間の対話を進め、段階的に和解に向けたスケジュールにつながるよう勧告する。南北朝鮮の対話は、友好的なスポーツイベント、学術交流やビジネス交流、北朝鮮からの若者に対する奨学金制度や職能訓練制度、学生交流、国内の赤十字社などによる市民社会団体の交流、専門組織や女性団体の交流、姉妹都市関係の発展、そして最終的には、輸送と通信手段の再建といったイニシアチブによっていっそう促進され得る。