弾道ミサイル発射成功で米朝の「殺るか、殺られるか」が加速する

さて、今後のことだが、正恩氏は弾道ミサイルの担当者たちに対し、「米国とその追随勢力が気を確かに持って正しい選択をする時まで高度に精密化、多種化された核兵器と核打撃手段をより多くつくり、必要な実験準備をいっそう推し進める」よう指示している。

トランプ政権が、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験をひとつの「ライン」として考えていることからして、北朝鮮がICBMの開発を急ぐことはないだろう。まずは多種多様な中距離弾道ミサイルを開発、実戦配備し、米国の同盟国(日韓)に対する核攻撃能力を盤石にすることを目指すはずだ。そしてその上でICBMを完成させられれば、一方的に「死ぬか、生きるか」を迫られる立場を脱し、「殺るか、殺られるか」の関係で米国とのイーブンに近づく。