弾道ミサイル発射成功で米朝の「殺るか、殺られるか」が加速する
インセンティブ・パッケージとは、米国が国交正常化、体制保障、経済・エネルギー支援などを、北朝鮮は核開発プログラム、核関連施設はもちろん、ミサイルなどすべての交渉材料をテーブルに載せ、大規模な合意を目指すことを念頭に置いていたものとみられる。
北朝鮮は、これさえも蹴っ飛ばしたのだ。正恩氏にとっては「4つのノー」など、大幅に後退した提案でしかなかったと言える。
トランプ政権とて、オバマ政権時代のやり取りについて知らなかったわけではあるまい。恐らく、航空母艦「カール・ビンソン」を中心とする空母打撃群を北朝鮮の近海に展開させた軍事的圧力下で「4つのノー」を示すことで、「死ぬか、生きるか」を迫ったつもりだったのではないか。
しかし結局のところ、正恩氏がこれに乗ることはなかった。