「同僚の娘を貯水タンクに沈めて殺害」…北朝鮮で多発する凶悪事件の動機と背景

北朝鮮は、軍事優先の「先軍政治」をスローガンに掲げている。軍隊は優遇されていると見られがちだが、決してそうではない。規模が大きく、維持にコストがかかるが、生産手段を持たない朝鮮人民軍(北朝鮮軍)は、経済復興を目指す金正恩体制の大きな足かせとなりつつある。

現場の軍部隊では、自力で維持費を稼ぎ、物資を調達しなければならない。もちろん、そこには彼らの取り分も含まれている。両江道(リャンガンド)の国境警備隊に所属する、ある上官と下士官も、密輸や脱北幇助などの国境利権を貪っていた「裏ビジネスパートナー」だった。

そこそこもうけていたようだが、金正恩党委員長の「国境警備を強化せよ」という鶴の一声をきっかけに、裏ビジネスは停滞。金の切れ目が縁の切れ目というが、二人の関係に暗雲が立ちこめる。