政治犯収容所などでの拷問・性的暴行・公開処刑の恐怖
- 第25政治犯収容所と呼ばれることが多い抑留施設は咸鏡北道清津市のそばにある。第14、15、16政治犯収容所はそれぞれに数万人の収容者がいたが、第25収容所は数千人であった。また、他の収容所とは異なり、警備が最高度に厳重であり、主要棟は高い壁に囲まれている。収容者たちは、政治的理由により裁判なしで終身刑とされており、そのため、第25収容所は政治犯収容所であると判断される。近年、第25収容所は拡張された。2006年と比較して敷地面積がほぼ倍増し、980平方キロメートルになっている。
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第14、15、16政治犯収容所は国家安全保衛部(SSD)が管轄している。第25収容所もSSDの管轄である可能性が高いが、確実ではない。
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理事会は、これまでに知られている政治犯収容所と同様な状態で政治犯が収容されている秘密収容所が存在する可能性を排除できない。特に、証人からの情報によれば、朝鮮人民軍保衛司令部が秘密の場所に小規模な収容所を設けている可能性があり、ここには将校や一般兵士が政治的理由により裁判なしで収容される。
- 元朝鮮人民軍(KPA)兵士キム・チュイル氏は、最高指導者金正日が1996年に自己が所属する大隊を訪問したときの様子を述べた。金正日は兵士に食料が十分配給されていないことを知り、直じに大隊長の階級を剥奪して裁判なしで朝鮮人民軍収容所に送った。金正日氏はこの収容所は朝鮮人民軍が管轄する収容所であり、朝鮮人民軍施設内にあると述べている。また、こうも語った。「そこで終身刑になる者もいる。軍事刑務所から釈放されても生きる術はない。政治犯は仕事に就けないからだ。」