かつてタイ空軍に「惨敗」した中国空軍…空自との実力差は?

この実戦での勝利は、PLA による近年の戦力強化と整備の急速さ、さらに「機体単独」から「統合システム」への転換が成功した証左と見られる。

軍事専門家はこう指摘する。
「中国機を“旧式・量産型”と軽視する認識は、もはや過去のものだ。今や勝敗は、単なる速度や機動力ではなく、電子戦能力とネットワーク統合力で決まる」

東アジアをはじめ、複数国の防衛当局者にとって、今回の出来事は他人事ではない。かつて失敗した中国の空軍力はこの10年で変貌し、「ミサイル射程・情報統合・電子戦」での優位を持つ存在に生まれ変わった。

かつての惨敗が、今日の勝利を育てた──。
空軍力の評価軸が、“機体性能”から“システムの統合力”へと移り変わった今、日本を含む西側各国は中国軍の実力に対する慎重な見極めを迫られている。