「世界に暴露してくれ」ある北朝鮮兵士がロシアからかけてきた一本の電話

労働者の中には、給料の多くを当局にピンハネされた上に、上納金の工面に追われた挙げ句、生きることをあきらめる人もいる。その一方で、バイトをかけ持ちするなどして、上納金を収めながらも、収入を確保する人もいた。

しかし、兵士らが置かれた状況はいっそう過酷だ。軍の命令で派遣された彼らに給料はビタ一文入らず、全額を北朝鮮当局に搾取される。バイトに出かける自由もない。

ロシアに派遣された建設部隊の兵士らは、ゴミ箱からタバコの吸い殻を集め、紙で巻き直して吸うほどの極貧生活を強いられた。「白飯に肉の入ったスープが食べられ、外国見物ができるのもすべて党のおかげ」という触れ込みとはかけ離れた暮らしだった。

泣きながら命乞い

「1ドルも手にできないままでは帰国できない」