「出しゃばりが過ぎる」金正恩の”父娘行事”に国内で批判
朝鮮中央通信など北朝鮮の国営メディアは4月26日、新たに建造された多目的駆逐艦の進水式が、25日に金正恩総書記の出席のもとで行われたと報じた。式典には、「ジュエ」の名で知られる金正恩氏の娘も同行した。
その様子はテレビを通じて報じられたが、国内では金正恩氏の過度な儀式重視に対する批判の声が上がっている。どうやら、まだ幼い娘を前面に押し出すなど、先代と先々代では見られなかった演出に違和感が強いようだ。(参考記事:「金正恩の娘は国産の服を着ろ」反発強める北朝鮮の若者たち)
娘とだけ笑顔
米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じたところによれば、住民の多くはこうした演出を冷ややかに見ている。
ある情報筋は、「住民の反応を一言で表せば、金正恩氏は大げさな行事などの虚礼虚飾を極端に好む人物だということだ」と述べた。また、「故金日成氏や故金正日総書記と比べて、功績も少なく年齢も若い金正恩氏が、過剰に出しゃばっている」との批判もあるという。
テレビで放送された記録映画(ドキュメンタリー)では、金正恩氏が列車で南浦港に到着し、そこからわずか300メートルの距離を車で移動し、その間にオートバイの護衛までつけていた様子が映っていた。情報筋は「金日成氏や金正日氏は、そのようなことは一切しなかった」と語っている。
娘の振る舞いに疑問
彼はまた、「金日成氏と金正日氏を特別に評価するつもりはないが、両氏は外国首脳を迎える際のような特別な場合を除き、国内行事ではオートバイの護衛など受けなかった」とも述べた。