北朝鮮の若者2人が味わった「たった14時間の自由」

保衛部は、2人が出来心で脱北してしまっただけで、政治的背景はないと判断し、政治事件として扱わず、突撃隊を除隊させ、実家に送り返すだけの軽い処分で済ませた。

情報筋によると、通常の脱北者のように厳罰に処すれば、金正恩総書記の命令を受けて災害復旧に当たっている白頭山英雄青年突撃隊のイメージを乱すことに繋がりかねないとの声が保衛部の内部で上がったことが、軽い処分につながったようだ。

また、感想文に「資本主義に毒された中国を見て、偉大なるわが祖国(北朝鮮)がいかに素晴らしいかを知った」などと言った模範解答を書かなかったことが、逆に功を奏したのかもしれない。それすら書けないほどの教育レベルの田舎の若者が、計画的に脱北して韓国を目指すなどと言った大それたことはしないだろうと判断された可能性も考えられる。