国家がどう頑張っても押し戻せない北朝鮮の「市場経済化」

北朝鮮の通り沿いに立ち並ぶ様々な店舗。八百屋、食堂、薬局などなど。しかし、一部を除いていずれもひとけがない。開店休業状態だからだ。

いずれの店も国営商店で、国家計画委員会が決めた量の商品を販売し、決められた額の利益を国に納めることになっているが、そもそも商品が供給されないのだ。というのも、工場も多くがやはり開店休業状態だからだ。

そこで編み出されたのが、民間への運営権の貸し出しという手法だ。市の商業部に毎月上納金を納めて営業許可と国営商店の名義を借りた商人は、店舗を借りて家賃を払う。国営商店は、その家賃を国に納めて、ノルマを達成したことにするのだ。このような方式は工場でも行われていた。生産が行えるように設備を貸し出すのだ。

結局は元通りに

せっかくうまく行っていたこの方法だが、1980年代以前のような社会主義計画経済の復活を目論む中央は、こんな命令を出した。