国家がどう頑張っても押し戻せない北朝鮮の「市場経済化」
「11月1日から国営商店を通じて得られる収益はすべて国庫に納めよ」
それでは儲けが全くないと、商人たちは店を去ってしまった。それから半年あまり。状況は元の状態に戻りつつある。両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。
(参考記事:「三方よし」の共生システムを壊し全員が損をする北朝鮮の経済政策)
恵山(ヘサン)市内の国営商店は最近、仕入れの手腕がある人を販売員として雇い入れている。販売員は、自分で仕入れた商品を販売し、毎月、国営商店に一定額を納めている。細かい違いはあるかもしれないが、結局は元の状態に戻ってしまったのだ。
かつて、1カ月に1500元(約3万円)から2000元(約4万円)を納めることを求められていたが、市内の各商店が次々に同じ手法に乗り出したことで、売り手市場となり、今では収益とは関係なく食品なら500元(約9900円)、工業製品なら800元(約1万6000円)さえ出せばいいということになった。
若い世代が「NO」
販売員は喜んでいるかというと、必ずしもそうではない。