飢餓で混乱…金正恩の首都に迫る「巨大な盗賊の群れ」
地域住民は、倉庫の鍵を大きいものに取り替えるなどの対策を取っているものの、それだけでは窃盗を防ぎきれない。当局は、平壌市民の住宅問題の解決は最高尊厳のご配慮だと派手に宣伝しているが、後方事業(供給)を疎かにして窃盗を煽っていると、市民は批判の声を上げている。
このようなことは、大規模な建設プロジェクトのたびに起きている。
昨年4月に完成した松新(ソンシン)・松花(ソンファ)地区の工事現場では、夜道で強盗が多発した。また、2020年には、平壌総合病院の建設現場周辺で窃盗が多発。中には、軍で使われる特殊なガスを撒いて、住民を抵抗できなくして金品を奪うという「毒ガス攻撃」すら起きている。いずれも、食糧や燃料の配給が得られず、自主調達を余儀なくされた突撃隊や、軍の建設部隊の犯行と見られている。
(参考記事:闇に潜む殺人者…金正恩「豪華住宅」現場で犯罪多発)
金正恩氏の構想では、建設される住宅は5万戸。ハコモノ大好きな彼だけあり、一連の工事が終わっても、また別のプロジェクトを打ち出すのは明らかで、そのたびに周辺住民が被害を受けることになる。