「禁断の音楽」聴きまくった北朝鮮男性を公開処刑

取り調べでチェさんは、海外ニュースと「耳に心地よい音楽」に魅了され、RFAを聞き続けたを自白した。保衛局は、この件を「反党行為で、体制転覆を試みたもの」と見なし、教養(懲役刑)で済ませるレベルを超えていると判断。今年10月に市内の外貨稼ぎ水産事業所の船長、責任者ら100人を集めた上で、彼を公開銃殺した。

また、彼の船の操業を認めた地元の党委員会、行政当局、保安機関の幹部に対して、解任、撤職(更迭)、除隊などの処分を下した。

RFAや韓国のKBSを聞いていたのはチェさんだけではなく、漁師の間では海に出るたびに海外からのラジオ放送を聞くのは当たり前のように行われてきた。海外のニュースや音楽のみならず、漁の安全に欠かせない正確な気象情報を伝えてくれるという理由もある。今回の公開銃殺の目的は、大物船主と言えどもラジオを聞けば殺されると恐怖心を植え付けることにあると、情報筋は説明した。(参考記事:北朝鮮漁民「韓国ラジオが命綱」…北の天気予報を信じたら「死あるのみ」

当局に「聞くな」と言われて知った

北朝鮮国民が海外から放送されるラジオをどれほど聞いているのかは不明だが、RFAの名前はよく知られているようだ。