「気絶、失禁する人が続出」北朝鮮、軍人虐殺の生々しい場面

その結果、件の脱北者が越境した地点を受け持っていた国境警備隊の中隊長、政治指導員、責任保衛指導員、軍保衛部封鎖部長、軍機動巡察隊長、そして脱北者本人が所属する職場の党委員長と支配人が処刑され、家族は追放されたという。さらに、チュ氏は処刑の場面を次のように生々しく描写している。

「そして彼らの処刑場面を、当該地域の幹部たちに参観させた。どれほど残忍に処刑されたのか、参観者の中からは気絶する人、失禁する人が続出した。北朝鮮でよく行われる、数百発の銃弾を浴びせ、人間の原型すらとどめないやり方だったのだろう」

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読めばわかる通り、処刑された軍人や党官僚は、故意に防疫ルールを破ったわけではない。どれほど警戒しても、広い国境地帯を完璧な監視下に置くのは不可能に近い。そんなことの責任を問われて処刑されたのでは、命がいくつあっても足りないだろう。

金正恩式の防疫体制の問題点は、それが国民の命を守るためというよりは、体制の安定を守ることを優先しているように見えることだ。各国とも、都市封鎖(ロックダウン)を含め厳しい防疫体制を取ってはいるが、それはひとりでも多くの国民を救うためだ。不可抗力とも言うべき落ち度を理由に処刑してしまう北朝鮮の防疫体制は、似て非なるものと言わざるを得ない。