北朝鮮社会が震撼「医大の性奴隷」事件で死屍累々
組織指導部は、「党と人民より個人の安楽と利害関係を優先させる汚物になってはいないか、集中的に思想を検討する必要がある」として、中央党本部に対する思想検討事業を進めている。
また、教育機関、国家保衛省(秘密警察)、社会安全省(警察庁)でも、厳しい思想検討と総和(総括)が行われており、平壌医大事件で解任、処分された幹部以外にも、さらに数十人の幹部がすでに更迭されたと、情報筋は伝えた。
一方で、金正恩氏の妹・金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長は、信訴システムのシステム改善に乗り出した。一例を挙げると、中央党の第2受付信訴請願室では午前と午後に、それぞれ1人の担当者が信訴を受付けていたが、これを3人ずつに増やし、相互監視の目が働くようにした。
この信訴は、民主主義や言論の自由のない北朝鮮で、庶民がお上に何かを申し立てることのできるほとんど唯一の仕組みだ。元々は法制度の外で運用されていたが、金日成時代にはそれなりに機能していた。1998年に制定された信訴請願法で、法的根拠が与えられたが、この時代には既に機能が低下していたと言われ、今でももみ消しや、加害者による逆襲などが後を絶たない。
(参考記事:息子の交通死亡事故をもみ消した北朝鮮の悪徳警官)