通行人を無理やり連行…北朝鮮の農村での「異様な日常」

北朝鮮は現在、「田植え戦闘」の真っ最中だ。農民のみならず、都市住民も農場に動員されて田植えを手伝わされる。農業の機械化が遅れているうえ、一部で導入された機械も慢性的なディーゼル燃料の不足により使用できず、事実上はすべての作業を人力に頼らざるを得ない状況だ。

この期間、市民はやむを得ない事情で外出していても、それを証明できなければ当局により農場に連行される。そればかりか、労働鍛錬隊(短期の強制労働施設)に入れられる人も出る有り様だ。

平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋は、「先月11日から25日までの15日間にわたって農村総動員令が発令され、この期間中は午後2時以前に誰も通りに出てはならないという厳しい取り締まりが実施された」と述べた。

このような取り締まりは例年この時期に行われており、摘発されたとしても、近隣の農場に連行されて、3〜4時間農作業をすれば解放されていた。しかし、今年からは労働鍛錬隊送りにすることにしたという。そこでは過酷な肉体労働が強いられ、衛生状態も劣悪なため、短期間の拘束であっても健康を損なうリスクがあるとされている。(参考記事:北朝鮮「田植え戦闘中に死者続出」末期症状示す異常な場面