「平壌の悪童」たちが働いた鬼畜性犯罪の顛末

国営の朝鮮中央通信は、金正恩党委員長が今月15日に開催された朝鮮労働党中央委員会(中央党)第7期第20回政治局拡大会議で、平壌医科大学で「重大な形態の犯罪行為」があったとして、厳しく批判したと報じた。北朝鮮では近年、名門校を舞台にした様々な不正が問題化している。

だが今回、金正恩氏が批判した不正行為は、裏口入学やワイロのやり取りなどという、ありふれたレベルのものではなかった。以下は、平壌のデイリーNK内部情報筋が語った話を再構成したものだ。

平壌医大の2年生から4年生の男子学生4人は、同級生の複数の女子学生に対して「性上納」を要求するなど性的虐待を続けてきた。そして、被害者のひとりだった女子学生が今年8月、自ら命を絶った。

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女子学生の母親は、学内の党委員会に男子学生の処罰を求めた。ところが、党委員会はいっさい動こうとしなかった。母親は業を煮やし、大学のある平壌市中区域の安全部(警察署)に信訴を行った。訴状を送ったが、いくら待っても回答はなかった。

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母親は結局、中央党に直接信訴の手紙を届けることを決心した。コロナで入市が統制されている平壌に潜り込み、中央党第2受付窓口に手紙を提出した。平壌在住の親戚の家に泊まり込み、回答を待ったがこちらも何の気配もない。