「平壌の悪童」たちが働いた鬼畜性犯罪の顛末

信訴は、北朝鮮国民が、権力による不正行為の被害者となった場合に訴えることができる、法的根拠に基づいた制度だが、訴えが握りつぶされたり、加害者から逆襲されたりすることもある。

(参考記事:濡れ衣の女性に性暴行も…悪徳警察官「報復殺人」で70人死亡

しびれを切らした母親は、再び第2受付窓口を訪ねた。信訴の手紙を受け取った信訴請願課の職員は、母親が鬼気迫る勢いで娘の受けた犯罪行為について語る様子を見て、深刻な非社会主義行為(風紀紊乱行為)が助長、黙認され、信訴の手紙が内部でもみ消されたと判断。党の最強機関である組織指導部の趙甬元(チョ・ヨンウォン)第1副部長の人脈をたどり、訴えを上部に報告した。

報告を受けた金正恩氏は、平壌医大の党委員会に対し組織指導部が集中検閲(監査)を行うよう指示した。

まず、加害学生4人は、中央党幹部の息子で、初級中学校に通っていた10年前、市内の平川(ピョンチョン)区域で女性に売春をさせていた事件の主犯であったことが明らかになった。情報筋が「あの有名な」と言及していることから、北朝鮮ではかなり知られた事件のようだ。この事件の詳細は不明だが、親たちが保安署(警察署、現安全部)に圧力をかけ、4人を釈放させたことで、有耶無耶になったようだ。

(参考記事:【写真】美人女優ピョン・ミヒャンの公開処刑で幕を閉じた「禁断の映画」摘発の内幕