暗殺、亡命、失脚…北朝鮮空軍「中東派兵」立役者たちの運命

エジプトが報告したのは、ムバラク政権が倒れ、ムハンマド・ムルシ政権が成立する前日の2012年6月29日であった。ちなみにムルシ政権は、北朝鮮と友好関係が続いているシリアのアサド政権との国交を絶っている。

しかし、そのムルシ政権も、2013年3月7日に採択された決議2094号については報告しないまま、7月3日にクーデターによって倒れた。その後のエジプトの政権は、北朝鮮を擁護する態度を再び示している。2014年12月19日に国連総会で採択された北朝鮮人権状況決議では、エジプトは、シリアと同じく反対票を投じた。もちろん、ムバラク政権期のエジプトは、2005年12月以来、国連人権委員会や国連総会における北朝鮮人権状況決議にも反対票を投じてきた。現在のエジプトは、それと変わらず、北朝鮮を擁護するようになってきた。

エジプトとシリアは第4次中東戦争以来、基本的には北朝鮮を支持し続けているといえる。エジプトがイスラエルと国交を樹立し、シリアとの国交を絶つなど中東情勢は大きく変わってきたが、第4次中東戦争における北朝鮮パイロットのエジプト・シリアへの派兵は、エジプトとシリアが北朝鮮を支持し続ける基礎を作り上げていたのである。(中東編 おわり)※次回はアフリカ編です。

(宮本 悟 聖学院大学教授)

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