「女性芸能人処刑」責任者までも抹殺した金正恩氏の冷酷無比

ところが、2017年1月に電撃的に解任され、「平壌市郊外の協同農場で働いている」などとする情報が伝えられていた。北朝鮮では、幹部が一時的に失脚して農場や炭鉱に送られ、「革命化」と呼ばれる再教育を経て復活する例がたまにある。しかし、金元弘氏にはそうした機会も与えられず、遂に処刑されてしまったということだ。

国家保衛省のような機関のトップまでが処刑されるとは、金正恩氏がいかに冷酷無比であるかを、如実に物語るエピソードと言えるだろう。

チュ・ソンハ氏によれば、金元弘氏が解任されたのは、汚職の容疑で取り調べを受けていた民用航空総局のカン・ギソプ総局長が、拷問に耐えきれず死亡してしまったためだという。カン氏は金正恩氏の妻・李雪主(リ・ソルチュ)氏の親戚だったという。

(参考記事:金正恩氏が意のままにする「美人妻利権」の現場写真