愛人女優を「ズタズタにして処刑」した父親への金正恩の反感
金正日氏はかつて、愛人だった女優が別の男性との間でスキャンダルを起こすや、父である故金日成主席に自分との関係が恐れ、文字通りズタズタにして公開処刑されたと言われる。
(参考記事:機関銃でズタズタに…金正日氏に「口封じ」で殺された美人女優の悲劇)
北朝鮮国営の朝鮮中央通信によれば、金正恩党委員長は最近、金剛山(クムガンサン)観光地区を現地指導した。先日の本欄でも言及した通り、金正恩氏はここで韓国との経済協力として進められた過去の金剛山観光事業を批判しつつ、次のように述べている。
「容易く観光地を明け渡して何もせず利を得ようとした先任者らの間違った政策」
「政策的指導を担当した党中央委員会の当該部署が金剛山観光地区の敷地をむやみに明け渡し(後略)」
金剛山観光事業は2000年に、金正恩氏の父である故金正日総書記と金大中元韓国大統領との間で行われた史上初の南北首脳会談で合意された。「先任者」「党中央委員会の当該部署」という表現ではあるものの、金正日氏が進めた政策を否定したものといえる。北朝鮮の最高指導者が先代の政策を批判するのは稀だが、実は、まったく初めてのことでもない。