「1割の世帯で飢餓」衝撃の報告に金正恩政権は右往左往

会議では工場、企業所などを通じて農村支援に参加した人にコメや現金を支給するなどの案が議論されたが、「財源はどうするのか」という難題に答えが出せず、結局は「各工場、企業所の自力更生で」という結論に達したとのことだ。丸投げで責任回避というわけだ。

「農村ではトウモロコシ麺にすらまともにありつけず、1日1食で糊口を凌いでいる家も多い」と語る情報筋。「今のところは『苦難の行軍』(1990年代後半の大飢饉)ほどではない」としつつも「平城でこのくらいなのだから、他の地方では絶糧世帯問題がもっと深刻だろう」と見ている。

(参考記事:「街は生気を失い、人々はゾンビのように徘徊した」…北朝鮮「大量餓死」の記憶

同じ北朝鮮でも、平城は大穀倉地帯「十二三千里平野」に隣接し、流通の中心であることから、食糧事情はかなり良い方だが、慈江道(チャガンド)や両江道(リャンガンド)など農地の少ない山間部はよりひどい状況ということだろう。ただ、食糧不足に関する情報は不足しており、全国的な現象かどうかは確認に至っていない。

(参考記事:女性の「値段」はトウモロコシ1キロ…金正恩氏が生み出す飢餓農場