「自由への逃走」に賭けて失敗した北朝鮮高官の悲惨な末路
受刑者の逮捕直後、人民保安省(警察庁)教化局長は緊急逮捕に関する対策執行に関する提議書を上級機関に提出し、同省予審局は翌日、教化局に緊急指示文を下した。つまり、事後処理で事を済ませようとしたということだ。
教化局は、教化所を管理する部署で、受刑者の収容、管理、北朝鮮全土の教化所の業務指導、統制、監督、赦免、減刑などを司っている。予審局は、捜査終了後起訴までの段階にあたる予審に関する指導、監督や、性的暴行、殺人などの重犯罪者の尋問、検察の捜査で逮捕された容疑者の追加捜査、拘留場の設置、運営、監督などを扱う部署だ。
(参考記事:北朝鮮女性、性的被害の生々しい証言「ひと月に5~6回も襲われた」)本来、予審局は、業務や組織の構造からして、教化局に指示を下せないことになっているため、指示は予審局の上級部署から下されたものを単純に伝達しただけか、同時に両部署に伝達されたものと思われる。