【北朝鮮国民インタビュー】「国が電気を供給してくれていた時代に未練はない」

かつて、全国の鉄道の8割を電化するほど電力に余裕があった北朝鮮。しかし、1980年代後半のソ連・東欧共産圏の崩壊で支援が減り、潤沢なエネルギー供給が得られなくなったことで電力が不足し始めた。さらに施設の老朽化に加え、1990年代後半の大飢饉「苦難の行軍」で電力インフラが崩壊したことで、現在は慢性的な電力難の中にある。

「先軍政治」を掲げた金正日総書記は、電力インフラの整備に力を入れなかったため、数十年に渡って電力難が解消することはなかった。

一方で金正恩党委員長は8月、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の水力発電所である漁郎川(オランチョン)発電所の建設現場を視察に訪れるなど、電力分野に力を入れる姿勢をアピールしている。

中国からの援助で多少は緩和したと言われている北朝鮮の電力難だが、実情はどうなのだろうか。

(参考記事:北朝鮮の深刻な電力難、中国の支援で緩和か

デイリーNKは、首都・平壌郊外の平城(ピョンソン)の市民と中国で接触し、電力事情についてインタビューした。一般的に地方都市の電力事情はよくないが、交通、物流の拠点である平城はかなりマシな方だという。

ー電力事情は、1〜2ヶ月前と比べてどうか?