北朝鮮の国境警備兵が赤裸々に告発「犯罪天国」の実態

また、過去に軍官や他の隊員が脱北や密輸に関与した事例を列挙するなど、国境警備隊の実態が赤裸々に綴られており、それに比べると自分の犯した罪は大したことはないと訴えるものとなっている。

通常、兵士からの信訴の手紙は軍の上層部が受け取ることになっているが、今回は別のルートをたどって中央党(朝鮮労働党中央委員会)に届いた。それに基づき、中央党は、現地に検閲隊、つまり査察班を派遣し、不正行為がなかったか調査に入った。中央機関による検閲は、処刑など凄惨な結末に至ることもしばしばだ。

(参考記事:「銃弾ぜんぶを頭部に撃ち込んだ」金正日時代の公開処刑

このような検閲は通常20日程度続くが、今回は開始から半月以上経っても終わる気配がないと情報筋は伝えている。つまり、検閲が極めて厳しいものとなっているということだ。検閲隊は、問題の中隊が駐屯する普天(ポチョン)郡内の国境警備隊全体に調査の対象を広げる予定だ。

厳しい検閲に国境警備隊はもちろんのこと、地域の住民の間でも不安が広がっている。