「産婦人科で密造」の噂まで…薬物乱用が止まらぬ北朝鮮

北朝鮮にとって石炭輸出は外貨稼ぎの柱だった。国家だけでなく個人も石炭ビジネスに参入し、炭鉱地帯は比較的、豊かな地域だった。しかし国際社会の制裁によって石炭の中国への輸出が減少し、地域経済に深刻な影響を与えた。一部地域では餓死者が出るような状況になっているという。

こうしたなか、金儲けにならない石炭事業から撤退して、手っ取り早く大金を得られる薬物ビジネスに参入する人が増えているのだ。平安南道の別の情報筋は「いま稼げるのは薬物だ、と思っている人が増えている」と述べた。

(参考記事:「男女関係に良いから」市民の8割が覚せい剤を使う北朝鮮の末期症状

平安南道のさらに別の情報筋によると、平城では個人が設備投資をして、アルバイトまで雇って覚せい剤を製造しているという。アルバイトの報酬は1kgあたり100ドルとのことだ。密造場所は平城だけでも複数存在し、一回で10kg程度の覚せい剤が生産されるという。

覚せい剤が国境地帯まで運ばれるルートも存在し、中国に密輸される。中朝国境付近を取り締まる国境警備隊も一役買っている。彼らのバックには秘密警察である国家安全保衛省の幹部たちがいるため、いくらでも取り締まりを避けられる。

金正恩氏は、「麻薬の生産と拡散を法的に厳重に処罰せよ」「麻薬生産を焦土化させよ」という指示を継続的に出している。