金正恩命令をほったらかし「愛の行為」にふけった北朝鮮カップルの運命

ちょうどそこには、聖地を守る警備隊が詰めている哨所(検問所)があった。哨所は、郡の保安署(警察署)直属の警備隊が警備を受け持っている。

おりからの猛暑で少しでも楽な近道を行こうと、男性は警備隊に革命史跡地への道を通してくれと要求したが、拒否された。すると、まだ昼間なのになぜ通さないのだと抗議した。

こういうときにはタバコや食べ物をワイロとして掴ませるものなのだが、青年はひたすら抗議するばかりだった。それに腹を立てたのだろう。1人の警備隊員が殴りかかった。青年がそれに反撃するや、集団暴行が始まった。(参考記事:北朝鮮国内で「仁義なき戦い」…「軍vs突撃隊」流血の抗争

警備隊は青年を押し倒し、頭、首、胸に殴る蹴るの暴行を加えた。青年が意識を失ったのを見て慌てた警備隊員は、青年を車で病院に搬送した。しかし、26日の時点でも意識不明が続いている。

この革命史跡地と金正淑氏の銅像は、普段から武装した警備隊が24時間体制で歩哨に立つなど特別な管理が行われている。金日成氏や金正日氏にまつわる史跡地や、そこに建てられた銅像の損壊を防ぐために、周囲に検問所や監視塔を増設し、勤労団体などから人員を動員して警備隊、巡察隊を増員している。

実際、2011年12月には、この革命史跡地で建物と森を焼く火事が起きている。