金正恩氏が公開「7000人死亡」リゾートの現場写真
金正恩氏は現場で、「わが国の景色がよくて美しい海岸に文化休息の場を立派に建設して人民が思う存分享受できるようにするのは、朝鮮労働党が久しい前から構想してきた事業であり、自身が最もしたかった事業の中のひとつであった」と述べ、来年の朝鮮労働党創建記念日である10月10日までに完成させるよう指示したという。
しかし果たして、金正恩氏が指示した期間内に完成するかは微妙だ。
韓国のリバティ・コリア・ポストによれば、今年1月10日に始まった建設工事は当初、70回目の国慶節(建国記念日)を迎える今年9月9日までの完成を目標としていたという。しかし金正恩氏は、5月25日にこの現場の現地指導を行った際、完成目標を来年4月とするよう指示したことが北朝鮮メディアの報道によって明らかにされている。
ということは、今回の視察で来年10月までの完成が指示されたことで、期限が2回にわたり延期されたことになる。
LKPによれば、その背景にあるのは劣悪な労働条件だ。LKPは、この工事には刑務所の囚人たちが動員されているとし、「1月から今まで、葛麻地区の工事現場では7000人、月単位では1000人が死んでいる」とする刑務所幹部のコメントを伝えている。
(参考記事:「手足が散乱」の修羅場で金正恩氏が驚きの行動…北朝鮮「マンション崩壊」事故)北朝鮮では、無理な工期のゴリ押しによる大量死亡事故が繰り返されている。
(参考記事:【再現ルポ】北朝鮮、橋崩壊で「500人死亡」現場の地獄絵図)金正恩氏がこの元山葛麻の開発に力を入れるのは、国連安保理により制裁指定されていない観光業を盛り上げ、外国人観光客を誘致することで、経済的な難局を乗り切るためであると思われる。
現状、北朝鮮の非核化は進展しているとは言えず、制裁が解除される日が近いとは思えない。それまでの日々に、いったいどれだけの犠牲が生まれるのだろうか。
(参考記事:「事故死した98人の遺体をセメント漬け」北朝鮮軍の中で起きていること)