北朝鮮のマスゲーム、実は高校生たちの「ナンパ・スポット」

マスゲームと言えば華やかな衣装やプラカード演技が見ものだ。80年代までは様々な備品が国から支給されていたが、国の懐事情が厳しくなった90年代からは参加者の自己負担に切り替えられてしまった。参加者はコメ10キロ分にあたる5万ウォン(約750円)ほど払わされるという。

巨大マスゲーム「アリラン」に参加した平壌の女性たち ©Matt Paish

当然、貧しい家の子どもたちにそんなお金を出す余裕などない。経済的負担を逃れようと欠席届を出すが受け取ってもらえない。一方で、幹部やトンジュ(金主=新興富裕層)は子どもたちをマスゲームの練習をさせまいとニセの診断書を作ったり学校に賄賂を渡したりする。