【実録 北朝鮮ヤクザの世界(下)】社会主義国で「経済ヤクザ」が誕生するまで

また、ヤミ市場を通じて「商売をして金を儲けること」を学んだ北朝鮮人は、密輸だけではなく、飲み屋、売春宿、ビリヤード場など、様々なサービス業を営み始めた。この裏で「ヤクザが暗躍しつつある」と語るのは、連載の1回目でも登場した崔勇男さんだ。

「愚連隊というより、市場を通じて稼ごうとするヤクザが増えているという噂は聞く。北朝鮮のヤクザも、かつては堅気にはあまり手を出さなかった。しかし、市場経済が広まるなかで、一般住民のなかにヤクザが入り込んでいくことは避けられないだろう」

任侠ヤクザから経済ヤクザへ——―日本のヤクザ事情と同じく、北朝鮮の「ヤクザ事情」も日々変化しているのだ。(了)